【福岡ボート・GⅢオールレディース】魚谷香織 止まった時計の針を進める

最高の形で最終決戦に乗り込んだ。準優10Rで1号艇トリオのトップバッターを務めた魚谷香織(38)=福岡=は、「完璧に逃げられた」とインからトップSを決めて快勝。前半5Rも5コースから豪快なツケマイを決めて5日目は連勝と、これ以上ない形でベスト6入りを決めた。
機力もここに来て、きっちりペラ調整に正解を出した。「良くなかった4日目の反省が生きた。出足や回り足が良くて行き足もいい。伸びも普通より少し上のレベルまで来た」。◎○の評価だが、◎◎に近い足で優勝戦での十分に勝負になる状態。2連対率27%の平凡機ながら、見事にパワーを引き出してみせた。
前回の優勝はもう4年前。2019年10月の当地で開催された今回と同じ福岡なでしこカップとあって、今回の一戦には何かしらの縁を感じている。「最近は優出もできていなかったし、ここら辺で流れを変えたい。(3回目の)産休明けから優勝できていないし、久しぶりに優勝したい」
懸案事項だったA1勝負駆けも、今節の活躍で現在勝率(5月~)は6.37まで跳ね上がりほぼ安泰の領域に突入。だからこそ、照準をVのみに絞れる。「A1にもめどが立ったし、優勝だけを狙ったレースをします。それに勝てば福岡のレディースチャンピオンの出場権も手に入りますからね」。魚谷の持ち味といえば、男子顔負けの全速攻撃。最後も豪快な攻めに徹して、4年前から止まっている時計の針を進める。(森 大輔)