ボートレース

【びわこボート・GⅠ周年記念】椎名豊 GⅠ初制覇で特別戦3度目V

優勝戦の1周2Mを先頭で回る椎名豊​​​​​

 秋の湖面で6日間にわたってレーサーたちが闘志をぶつけ合った、びわこボートのGⅠ開設71周年記念「びわこ大賞」は最終日の6日、最終12Rで優勝戦を争い、1号艇の椎名豊(35)=群馬=が、インから堂々の逃げ切り勝ち。8度目のGⅠ優出で初めてのVを挙げた。特別戦の優勝は、SGとGⅡの各1回を含めて3度目。一般戦を含む通算では24回目のV。優勝賞金1100万円を加算し、賞金順位を大会前の31位から16位まで上げた。2着は2号艇の篠崎元志、3着は3号艇の平本真之で、3連単は1270円の2番人気。6日間の売上額は63億9367万3900円で、今節返還額1億4千万円余りを含めると目標額(65億円)をほぼ達成した(達成率98.4%)。

■ヒーロー
 まさに千載一遇のチャンスを逃さずものにした。予選2位ながら優出1号艇が手に入った椎名豊が、昨年のSG初制覇に続いてGⅠを初制覇。「巡ってきた1号艇だったのでそれほど緊張せずに臨めた。勝ててホッとしています」。F休みを前にして賞金31位でびわこ入り。チャレンジカップ出場(賞金上位34人が出場)へ安穏とはしていられない位置だっただけに、「この優勝はデカい。チャレンジカップへのチャレンジに成功しましたね」と価値ある勝利に笑顔を見せた。

 昨年のグランプリ2nd組ながらその賞金順位にとどまっていたほど、近況は不振。ただ、今節に臨むに当たって、小さな自信があった。

 「前節(とこなめ一般戦)、成績は悪かった(4号艇での準優入りで優出ならず)けど、最後に手応えをつかんで終われたので、今節はやれる気がしていた」

 その言葉通り、早々と軽快な舟足に仕立てて初日は6、2枠で3、1着の好発進。以後も大敗することなく成績をまとめて予選2位通過を決めると、準優も危なげなく1着通過。予選トップの菊地孝平が準優2着に敗れ、転がり込んできた形のファイナルの1枠だったが、その立場にふさわしいだけのパワーに仕上げ、好レースを存分に演じてきた一節間だった。

 史上初の「ゴールデンレーサードリーム」に始まり、ファイナルにもゴールデンレーサー3人が優出(篠崎元志、平本真之、菊地)。「積み重ねなので、いずれ自分もなりたい」。そんなつわものたちを相手に手にした今回の勲章も、その一つになる。

 「昨年のグランプリはよく分からないまま終わってしまった(2nd組ながらファイナル入りならず)。またグランプリに乗れるよう頑張りたい」。雪辱の舞台をつかむため、11月の三国のチャレンジカップで再びのチャレンジが待っている。(深堀慎一郎)

■プロフィル
 椎名豊(しいな・ゆたか)1988年9月16日生まれ。群馬県太田市出身。桐生南高-国士舘大卒業。2013年11月デビューの113期。15年9月に桐生で初優勝。17年9月の蒲郡ヤングダービーでGⅠ初優出(落水)。21年5月の大村モーターボート誕生祭でGⅡ初V。22年7月の尼崎オーシャンカップでSG初優出初Vを成し遂げた。GⅠはこれで8優出1V。164センチ、52キロ、A型。

ボートレース振興会会長賞メダルを掲げる椎名豊
優勝カップを掲げる椎名豊

 

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