【びわこ・GⅠBBCトーナメント】松井繁が59度目GⅠ王者
びわこボート(大津市)のプレミアムG1「ボートレースバトルチャンピオントーナメント」は15日、12Rで決勝戦が行われ、1号艇の松井繁(53)=大阪・64期・A1=が逃げ切って勝利。大会初、G1では通算59回目の優勝を果たした。4日間の総売上額は67億2386万2600円で、目標の65億円を上回った。
■ヒーロー
大得意の水面で、最後まで王者が存在感を示した。大外の池田がコース取りも示唆していたが、本番は枠なり進入。ほぼそろったスリット隊形の中でも「全速で行った」というコンマ11のトップSで先手を奪うと1Mは、余裕を持ってターン。差して迫る丸野をBSで振り切ると、Vゴールまで駆け抜けた。
優勝を後押しした相棒も「初日、2日目は感触が良かったけど、3日目からは気圧なども変わって伸び型がしんどくなった」と盤石ではなかった。それでも、「行き足、伸びは良かったのでそこを生かすレースをした」と百戦錬磨の経験から、きっちり対応してみせた。
「外枠から優勝戦に乗るのは奇跡だよね」と、1回戦5枠からの勝ち上がりを振り返った。「全部アミダにしてくれればいいのに」。決勝の枠番を決める「アミダマシーン」では絶好枠をゲット。Vへの流れも完全に引き寄せていた。
G1制覇は3年半ぶり。「G1を1個取れたら普通に出られる」と語る年末決戦も、ここ2年はベスト18入りを逃して出場ならず。今年は最高のスタートダッシュを決めただけに、3年ぶりの復帰を十分に狙える。だが、「やることは一緒。結果よりも過程が大事」とあくまで泰然自若。「75歳までやりますから」と語る王者にとって、59度目の栄冠も単なる通過点でしかない。(古賀正史)
【決勝戦VTR】 進入は枠なり3対3。ほぼ横一線にそろったスリット隊形の中で、トップSを放った(1)松井が先マイ。差してBSで迫る(2)丸野の猛追を振り切って独走態勢を築いた。1Mでまくり差しを狙った(5)深谷と最内を差した(6)池田が1周BSで併走して3着争いを演じたが、内から冷静に2Mブイ際を旋回した池田に軍配。