【福岡ボート・一般】原豊土 諦めない姿は師としての務め

土俵際で残った。原豊土(43)=静岡=は2日目まで5、4、5着と舟券にさえ絡めぬ低空飛行を続けていたが、3日目4Rは4コースから巧みにまくり差して起死回生の初白星。予選突破の望みをつないだ。
絞りまくりに出た古賀繁輝マークからの展開勝ちだが、勝因はそれだけではない。「シリンダー交換が大正解でした。体感がすごく良くなって伸びも悪くない。足が上向いていなかったら、恐らく差せていなかった」。諦めずに大整備に出た前向きな気持ちこそが勝因で「これなら戦える」。ただ窮地を脱しただけでなく、戦闘態勢も整った。
10月初めに当地で行われたGⅢオールレディースではまな弟子の刑部亜里紗が奮闘。優出こそ逃したが、A2初昇格を確定させたことは何よりの発奮材料になっている。「デビュー4期目でA級はよく頑張っている。すごく刺激をもらえているし、自分も彼女らに刺激を与える存在にならないと」
今期(5月~)は現在勝率5.98と3期ぶりのA1復帰にはあと一歩届かなかったが、弟子を引っ張るためにも歩みを止めるつもりはない。「来期は必ずA1に戻るつもりでやるし、そのためにも今期をいい形で締めくくりたい」。勝率が懸かる状況ではないが、師匠としてぶざまな立ち居振る舞いは見せられない。最後まで諦めない姿勢で、第一関門突破に全精力を傾ける。(森 大輔)