【クローズアップ】前田滉　初周年で経験値爆上げ！　【若松】

　何とか踏みとどまった。前田滉（22）＝愛知＝は2日目6Rで3コースから果敢に攻めて3着を奪取。先行する椎名豊をあと一歩まで追い詰める好内容に、本人も納得の表情。初戦で大敗を喫し、ここでさらに大敗すると後がなくなっていただけに価値のある3着だった。

　成績通りに機力も上昇ムード。「そのまま乗った」と言う初戦の感触はさっぱりだったが、ペラを叩き変えた2日目は気配が一変。「直線で下がらなくなったし、普通は十分にある」。高レベルとは言えないまでも、自分のターンができるようになったことでレース内容も一変している。

　昨年の徳山ヤングダービーでG1デビューを果たしたが、周年記念は今回が初めて。「ヤングダービーとはピリピリ感が全然違う」。一線級同士の勝負に面食らったというが、この経験を今後の大きな糧にするつもり。「こういう舞台に立つのが夢だったし、ずっとここにいられる選手にならないといけない。これでもかというほど今節の経験を持ち帰りたい」

　もちろん、その経験は予選だけでは物足りない。さらにしびれる場所での戦いに顔を出したい。「最後まで諦めずにやります」。今年のトップルーキーに選出された愛知の“超”有望株が、自らの出世ロードに新たな一ページを記す。　（森　大輔）