【徳山ボート・GⅠ周年記念】小芦るり華 特別インタビュー 初参戦の「周年」で年末入りに挑戦 2日開幕
年末の一大決戦への出場権争いも残り1カ月と大詰めの中、ボートレース徳山(山口県周南市)のGⅠ開設70周年記念「徳山クラウン争奪戦」が11月2日に開幕する。7日までの6日間開催。歴代のグランプリ覇者が松井繁、服部幸男、辻栄蔵、吉川元浩、中島孝平、石野貴之と6人も参戦。それ以外にも、昨年のグランプリに出場した原田幸哉、菊地孝平、毒島誠、片岡雅裕、丸野一樹も顔をそろえた。そんな豪華な一戦で〝周年記念デビュー〟を果たすのが、7月から初のA1レーサーとして全国で奮闘中の小芦るり華(26)=佐賀=だ。GⅠはレディースチャンピオン、ヤングダービーの経験があるだけだが、徳山は1月に初Vを挙げたメモリアル水面。好印象を持って臨むハイレベルな一番を前に意気込みを聞いた。
◆小芦るり華(おあし・るりか)
1997年9月9日生まれの26歳。佐賀県小城市出身。佐賀商高中退。登録番号4938。2016年5月、からつでデビューの118期。初1着まで1年10カ月を要したが、21年後期にA2級に初昇格、22年5月にからつで初優出(4着)、23年1月に徳山で初Vと着実にステップアップし、7月からは最高位のA1級に在位。女子の夏の晴れ舞台のレディースチャンピオンには昨年、今年と2年連続で出場中。今年9月には若手限定の特別な一戦「ヤングダービー」にも初出場した。「周年記念」の出走は今回の徳山が初めて。161センチ、50キロ、B型。高校時代はフェンシングで総体出場の経歴を持つ。
■インタビュー
-7月にA1級に初昇格し、今回は他場も含めて自身初の「周年記念」の出場です。
「実力がある人たちと走れるのはやっぱり楽しみ。しかもそれが、(グランプリにもつながるトップ戦線の)グレードレースで体験できるわけですから。でも、出場が決まって全メンバーを見たら思わず、〝うわっ〟ってのけぞりました(笑)。このメンバー(松井繁、服部幸男ら歴代グランプリ覇者6人をはじめSG常連がずらり)ですからね。この中で自分は戦えるのかと、実はちょっと不安もあったんですけど、逆にどれだけできるかと楽しみに思っています」
-徳山は今年1月に初優勝。好印象で臨めるだけに、楽しみは余計に大きい。
「初優勝もできて大好きな水面なので、初めての周年が徳山でうれしい。徳山ではエンジンもよく出せているので、いつもいいイメージで走れています」
-なぜ徳山が得意?
「自分の好きなペラの形に叩くと、うまくいきやすい。もちろん地元のからつも得意ですが、徳山も同じぐらい合う。ペラの形との相性がいいんでしょうね」
-前期(5~10月)を振り返るとどうですか。
「何だか〝もまれたな〟と感じています。今はA1ではあるけど、強い選手と対戦する機会も増えて、まだまだA1の実力がないな、自分にはオーラが出ていないなと、かなりの刺激になりました。もっと自信を持って〝私はA1〟って言えるようになりたい。11月からの新期は、まだまだもっと上を目指して、また頑張ろうって思っています」
-ただ、スタート力は既にSGクラスなのでは? なぜ早いのですか。
「フェンシングの槍先をかわしてきた動体視力も、多少は関係しているとは思いますけど、計算が得意ということもあります。気温や風向きといった気象条件がSタイミングに影響する度合いを、きっちり計算できます。私、数学は得意だったんですよ(笑)。でも、フライングを切らなくても早い人はたくさんいますよね。フライングをせずに早ければ本物の武器になると思うので、そこも高めていきたいです」
-今年の女子賞金ランクは16位。年末の大一番のクイーンズクライマックス(女子賞金上位12人が出場)が狙える位置です。
「目指しているのでそこに入れれば幸せですけど、簡単なことでないのは分かっています。この徳山で優出しないと届かないですし。それでも望みはあるわけで、自分ができることをしっかりやりたい」
-GⅠで優出と言えば、仲良しの西橋奈未選手が3月の三国(福井県)の周年記念であと一歩(準優で2番手航走も最後は3着)まで行きました。
「ここぞの場面のメンタルは奈未ちゃんが強い。陸の上なら私の方がメンタルは強いんですけど(笑)。精神論的なアドバイスはもらっています。そのメンタルを見習って、優出できたらいいですね」