【若松ボート(ナイター)GⅠ周年記念】西山貴浩 天国の後輩と挑む地元GⅠ戦

6日はレース中に殉職した後輩の一周忌。西山貴浩(36)=福岡=は、そのことをいっそう強く胸に抱いて今シリーズを走っている。2022年11月6日、同じ北九州市出身の後輩、中田達也さんは宮島のレースでの事故で帰らぬ人となった。
オープニングセレモニーの西山は神妙だった。「中田達也が逝ってしまって今節で一周忌です。あいつとともに一生懸命走ります」。いつもの爆笑トークは封印。いつもとは違った思いは十分に伝わってきた。
ただ成績はもどかしかった。2日目まで5、2、3着。しかし3日目のこの日1Rでようやく初勝利。得意技の一つでもある3コースからの全速まくりを決めた。後半8Rのイン戦はまくり差されたが2着に踏ん張り、5走37点で得点率は7.40。ボーダーが6.00の想定なら、準優当確圏に突入した。
「日に日に良くはなっているけど、出足はもう少し。エンジンを考えるともうひとつかな」。もちろん、準優に進むだけで満足とはいかず、4日目は優勝するための布石を打つ大事な一日。エンジンの調整、レースの戦略―。綿密な仕事で、天国の中田さんとともにVロードを切り開く。(中野諒)