桐生順平V 総売上額はレコード 開設70周年記念 【若松】

5日目の24日が中止順延になった、若松ボートのG1開設70周年記念「全日本覇者決定戦」(優勝賞金1000万円)は最終日の26日、12Rで優勝戦が争われ、1号艇の桐生順平(36)=埼玉=が圧倒の逃げ。2着に3号艇の池田浩二が入線した。前回大会覇者の羽野直也は、枠なり6コースで3着。6日間の売上額は120億3182万円余りで、プレミアムG1を除くG1の最高額を達成した。
■ヒーロー
1~5枠がSGウイナーで、6枠の羽野もドリーム組。ビッグネームがそろい踏みした頂上決戦は、絶好枠の桐生が13のSでイン速攻。「うれしいですね、ハイ」とG1のV戦1号艇が9連勝、当地の周年の初Vを落ち着いてかみしめた。
今節の道のりは決して平たんではなかった。出だしは相棒20号機に不満だらけだった上に、5日目を予定していた24日は大寒波が大打撃になり中止順延。「エンジンの良さは正直、全く感じていなくて、初日ドリームもすごく悪かった。順延も長く感じてしまってキツかった」と胸中を吐露。それでも、一線級で培ったメンタルがダテではなかった。「ドリームの後に思い切ったペラ調整に踏み切ったことが良かったのかな。順延も仕方がないから、リラックスして過ごした」。気持ちを切り替えて淡々と仕事に打ち込んだ。
全国の周年を真っ先に獲得した意味は計り知れない。なぜなら、2024年のクラシックの舞台は地元の戸田だから。「どうしても記念のタイトルが欲しかったから、1月に取れてホッとした」。早くも“重圧”から解き放たれた。
この後は多摩川、戸田、福岡と一般戦ロードが続く。「お客さんに楽しいと思ってもらえるレースができたら、それで幸せかな」。埼玉支部のスーパーエースが、猛然と突っ走る。 (荒木翔吾)
◆桐生順平(きりゅう・じゅんぺい)1986年10月7日生まれの36歳。福島県出身。2007年5月に戸田でデビューの100期。埼玉支部所属。初白星も初優出も初Vも地元戸田。G1は昨年12月の下関周年以来、16回目のV。最高グレードのSGは、15年のクラシックで初V。17年に再びクラシックを制すると、年末の1億円バトルのグランプリも優勝。同年のMVPと賞金王に輝いた。通算では180優出55V。162センチ、52キロ、AB型。