【住之江ボート(ナイター)SGグランプリ】開幕直前連載企画2 今垣光太郎 地元SGの借りをGPで返す
ボートレース界最高峰の一大決戦、SG「グランプリ(GP)」が19日から住之江ボート(大阪市)で開催される。第38回を迎える今大会から優勝賞金が1億1千万円(前回は1億円)に増額。出場の18人は、史上最高額を懸けたバトルにそれぞれの思いを乗せて臨む。
<選出17位・今垣光太郎>福井支部・54歳=4年ぶり15回目
さながら、ヒットの延長はホームラン-。「今年は11月の三国のチャレンジカップを目標にしてきた」。秋の地元SGに照準を絞って年頭から奮闘した今垣光太郎が、その先にあった年末のGP返り咲きまでつかんだ。「年齢の割に頑張っていると思う」。4年ぶり出場の今大会の最年長者は自らをねぎらう。
チャレンジカップは予選トップ通過。だが準優で2着にとどまると、4号艇だった優勝戦はピット離れで痛恨の立ち遅れ。スロー起こしの4コースで見せ場なく6着に敗れた。「GP入りはうれしいけど、後味が悪い結果で素直に喜べない」と複雑な心境を打ち明けた。
それでも気持ちは切り替えた。「GPという挽回の機会をもらった。そこで頑張るしかない」。しかも、今までになく達観している自分がいるという。
「今まで、絶対優勝するぞという思いが強すぎて空回りばかり。今回はファンに納得してもらえるレースがしたいという気持ち。肩の力を抜いて、平常心で優勝だけを狙います」。中年の星となるべく、54歳は静かに燃える。