【住之江ボート(ナイター)SGグランプリ】開幕直前連載企画9 片岡雅裕 童顔の奥に負けん気と勝負強さ
ボートレース界最高峰の一大決戦、SG「グランプリ(GP)」が19日から住之江ボート(大阪市)で開催される。第38回を迎える今大会から優勝賞金が1億1千万円(前回は1億円)に増額。出場の18人は、史上最高額を懸けたバトルにそれぞれの思いを乗せて臨む。
<選出10位・片岡雅裕>香川支部・37歳=2年連続2回目
昨年のSG初Vがフロックでなかったことを証明した。片岡雅裕が秋のチャレンジカップで2度目のSGVを果たし、2年連続のGP入り。初Vだった昨年のメモリアルの決まり手は「恵まれ」だったが、チャレンジカップは危なげなく逃げて文句なしの自力V。
「緊張したけど、絶対勝つと一日中、自分に言い聞かせた」。今や紛れもない支部のエースは、SG優出1枠という初体験の重圧を、的確な精神制御で克服してみせた。
昨年のGPで優出(6着)し、その特権により今年は10月までの全SGに優先出場。しかしそのうち、予選を突破できたのは6月のグラチャンだけ。「昨年の方が調子は良かったと思う」という言葉もうなずける。
それでも「またGPに行きたい」という思いで、最後に残されたチャンスをものにした。そして出場権を得たGPの目標を聞かれれば「賞金王を目指す」と、現賞金王の峰竜太に堂々と挑戦状。童顔の奥には、底知れぬ負けん気と勝負強さを秘める。
昨年のファイナルは何もできずに終わった悔しさいっぱいのレース。GPに忘れ物があるのは、峰竜太だけではない。