【クローズアップ】枝尾　外枠でも諦めない　【若松】

　ラストチャンスをものにした。予選最終走となった4日目3Rで枝尾賢（41）＝福岡＝は巡ってきた絶好枠を生かして押し切り勝ち。「伸びる水摩君がいたので心配だったけど、逃げられて良かった」。1着条件という究極の勝負駆けを最高の形でクリアし、気持ちよく準優に乗り込んだ。

　機力もジワリと上昇中。「乗り心地が良くなって、回って押す感じも出た。出足は良くなっている」。課題だった出足や回り足に正解が出て、何とか準優で戦えるレベルには届かせてきた。「本音を言えば伸びが欲しい。本体を扱うかも」。準優までの時間を有効に活用して、最後の決定打をひねり出すつもりだ。

　若松は元選手で義父である森永修さんがレスキューで働いていたこともあり規定で出走できなかったが、修さんが退職してからはあっせんが一気に増加。水面への耐性は大幅に上昇した。「今はホームの福岡よりも走っている。水面のクセや調整も分かってきたし、“地元”になってきた」

　福岡で開催された前回の地区選で優出したが、昨年の特別戦での実績はそれだけ。SG戦線復帰へ、このままではいけないという危機感がある。「ここで一発決めてクラシックに出たい。何としても優出してそのチャンスを得たいので、外枠でも諦めない」。今年を占う上でも、今回をただのG1で終わらせるつもりはない。　（森　大輔）