【若松ボート(ナイター)GⅠ九州地区選】末永和也 初のGⅠ制覇

6日間の激戦を繰り広げた若松ボートのG1「第69回九州地区選手権」(優勝賞金480万円)は最終日の17日、12Rで優勝戦が争われ、1号艇の末永和也(24)=佐賀=が、09のSで逃げてうれしいG1初優勝。2着は3号艇の瓜生正義、3着に2号艇の古沢光紀が入った。6日間の総売上額は89億円を超えて、目標額の85億円を悠々と上回る盛況に終わった。
■ヒーロー
多士済々の九州に新たなスターが誕生した。2度目の優勝戦1号艇をG1で迎えた末永は、スロー勢では同体の09を叩き込むS度胸。攻めてきた瓜生を1M、2Mともに封じて決着をつけた。「若松は自分にいろんなものをくれるレース場。デジャヴのようだった」。昨年10月の3Daysでデビュー初Vを飾った時と、ひと味違う思いを駆け巡らせながらウイニングランへと飛び出した。
まだ24歳。ファイナルまでの長い時間はみっちりと使い切った。「緊張をしないためにも、いつも通りに試運転で練習していた」。若手らしい時間の費やし方が、本番の完璧なSとターンへ表れた。
先の四国地区選手権では、香川支部で122期の中村日向が5000番台で初めてG1を制し、最優秀新人の末永も続いた。「こんなに早く取れるとは思わなかった。絶好調の今、運が良すぎる感じがする」と謙虚な姿勢を変えないが、5000番台の先駆けとして新風を吹き込んだことは紛れもない事実だ。
このVにより3月のクラシックが、SGの初陣。「SGでも頑張る。そして今後は、師匠の(上野)真之介さんと記念で優出したい」。期待にたがわない成長を見せる佐賀支部の超エリートが、平和島でベールを脱ぐ。(荒木翔吾)
◆末永和也(すえなが・かずや)1999年2月16日生まれの24歳。佐賀県唐津市出身。2019年5月にからつでデビューの124期。佐賀支部所属。デビュー初白星は8走目。初優出は21年3月のとこなめで、初Vは昨年10月の若松。昨年9月のヤングダービーでG1の初出場を果たして、初優出(6着)も経験。5000番台では中村日向(香川)に続いて、2人目のG1ウイナーになった。通算は20優出2V。174センチ、52キロ、A型。