ボートレース

【下関ボート(ナイター)西スポ杯】インタビュー 寺田千恵「今年もQCへ」竹井奈美「混合戦にワクワク」

 ボートレース下関(山口県下関市)の西日本スポーツ杯が11日に開幕する。男女混合で争う16日までの6日間開催。Vの有力候補のA1勢は8人。その中で唯一、下関の全国発売レース(SG、プレミアムGⅠなど)で優勝歴があるのが寺田千恵(54)=岡山=だ。2010年3月のプレミアムGⅠ「レディースチャンピオン」で優勝。それ以外にも4回のV実績を誇る。昨年末も出場した「クイーンズクライマックス」には唯一の12年間皆勤賞という女子の第一人者が、その記録をさらに伸ばすため、今年の初戦となるこの西スポ杯に気力をみなぎらせて臨む。女子勢はほかに、A2ながら適用勝率7点台の竹井奈美(34)=福岡=も、さらなるレベルアップを誓う新年の初戦。前回の下関西スポ杯(昨年2月25日~)も男女混合だったが、女子の予選突破はゼロ。今年は昨年とは違った勢力図になりそうだ。

■寺田千恵インタビュー

◆寺田千恵(てらだ・ちえ)
 1969年4月11日生まれ。福岡県出身。福岡市立田隈中-福岡県立若松高卒業。登録番号3435。1989年11月に若松でデビューの65期。94年12月に宮島で初優勝。GⅠは2006年10月の下関周年で初優出(沈没)し、優勝はレディースチャンピオンでの2回(07年3月徳山、10年3月下関)。SGには数々の出場歴を誇り、01年6月のからつグランドチャンピオンでは1号艇で優出した(5着)。通算343優出74V。年間タイトルは優秀女子を4度受賞(2000、01、07、15年)。156センチ、45キロ、O型。夫は立間充宏で、結婚を機に福岡支部から岡山支部へ移籍した。

 -今年の初戦は下関です。

 「特段の攻略法を持っているわけではないですけど、レディースチャンピオンの優勝はもちろん、オールレディースでも優勝(2015、16、19年の3回)しているので印象がいい水面ですね。下関のオールレディースのタイトルには宝石店の冠が付いていて(ジュエルセブンカップ)、優勝の副賞で宝石をもらったことも思い出。それに、(下関の対岸の)北九州市に住んでいたことがある私にとっては、立地的にも親しみがありますね」

 -2023年もクイーンズクライマックス(QC)に出場し、ファイナルにも進出(6着)。一年全体を振り返るといかがですか。

 「活躍できないまま、一度も優勝できないまま、QC出場にこぎ着けられたのは奇跡的でした。でも最後の2カ月はいいリズムに整えることができたかな。(QC出場決定後の)12月に若松で23年最初の優勝を挙げられて、続く尼崎のヴィーナスシリーズでも優勝できました」

 -QCの優出も粘り強い走りが実ってのもの。3周2Mで競り勝っての4着でぎりぎりの優出切符。

 「最後まで諦めずに一つでも前の着順を目指す走りはずっとやってきたこと。それで優出できたのはよかった。でもそれより、本当に周囲のおかげだと感謝でした。最初はエンジンが全然出ていなかったのに、整備で上向いたのは相談に応じてくれた整備士さんのおかげだし、親交が深い海野ゆかりさんはプロペラの相談に乗ってくれた。QCの優出って難しいのに、それができたのはそういう支えがあったからです」

右は海野ゆかり

 -新年の目標は?

 「またQCを目指します。そのためには一年を通じてコツコツ積み上げていくしかないので、けがをしないこと。年齢的に反射神経が落ちているのも自覚していますから、気を付けたいですね」

 -この西スポ杯がいい開幕ダッシュになれば最高です。

 「まずはどんなエンジンを引くかですけど、男女混合戦は意外と成績が残せて、勝率的にも助かっているんですよ。優勝した昨年12月の若松もそうでしたしね。一年のいい滑り出しになるよう頑張ります」

 

■竹井奈美インタビュー

◆竹井奈美(たけい・なみ)
 1989年7月31日生まれ。福岡県苅田町出身。福岡県立京都高卒業。登録番号4556。2009年5月デビューの104期。16年6月に福岡で初優勝を挙げると、同年末には女子最高峰の一戦「クイーンズクライマックス」に初出場で準Vの大活躍。SGは6度の出場実績を持つ。通算81優出9V。151センチ、48キロ、A型。夫は桂林寛、弟は竹井貴史。

 -2023年3月に産休から復帰して、もうすぐ1年になります。

 「最初はやっぱり大変でしたね。練習期間も長く取れたわけでないので、体力的にきつかった。3周するのが長く感じたし、(心肺機能も低下して)復帰直後はひとレース走るだけで心臓がバクバクでした。もう大丈夫ですけど」

 -復帰時期は前々から決めていたのですか?

 「子どもの月齢と自分の思いを踏まえて決めました。ずっと家に居てもずるずると復帰を引き延ばすだけになりそうだったし、そろそろだなと思って」

 -順調に勝率を稼いでこの1月からA級に復帰。産休前の強さを取り戻せている手応えはありますか?

 「元に戻せたとか、元に戻りたいといった思いは、実はないんです。というのは、私は元々上手なわけでは全くない。ターンの上手な選手がいっぱいいるので、とにかくもっとうまくなりたい。ずっとそういう思いで走っています」

 -その進歩の実感は?

 「なかなかうまくいきません。SGクラスの選手たちは、ターンの入り口のスピードにしてもターンの踏み込みにしても、全てにおいてレベルが違い過ぎる。ひたすら上手な選手のレースを見て頭に入れて、自分でやってみる。その繰り返しです」

 -新年の目標は?

 「今より成長して強くなる。その一点です。あと、復帰してから優出はあるけど優勝がないので、どのレースでもいいから優勝したい」

 -そんな思いで臨む今年の戦いはこの下関から始まります。

 「下関は広い水面なので好きです。それに水質も軟らかく感じて乗りやすい。出走回数は意外と少ないのでエンジンの調整面のイメージが明確にあるわけではないけど、水面への印象がプラスですね」

左は川野芽唯

 -男女混合戦についてはどんな思いですか。

 「男子は強いし上手。そんな選手を相手に勝てるとうれしいので、そういったワクワク感があります。もちろん、ワクワクするだけでなくそこで勝ちたいので、いつものように優勝への意欲を持って前検に入ります」

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena

関連ニュース

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena