【福岡ボート・一般】山口裕二 背中を押す成功体験
まさにけがの功名だった。2日目9Rはインの小池公生がFに散り、残る5人のうち4人がゼロ台のSというS合戦になったが、山口裕二(44)=長崎=はコンマ13のタイミングで生き残り4着。「F持ちでSは無理できないけど、逆にそれで助かった」。舟券には絡めなかったが、戦線離脱を免れた意味は大きい。
それもそのはず機力には手応え十分だからだ。「伸び型だった渡辺浩司君のペラの形からはだいぶ叩き変えたから、前検ほどは伸びない」としつつも、「行き足や回り足が良くて自分好み。中堅上位はある」と実戦足は上々。難水面の福岡を乗りこなす武器は手にしており、「満足している」と戦闘態勢を整えている。
当地は10優出4Vを誇る〝超〟ドル箱水面。昨年4月にもVを決めたが、3コースから1、2コースがやり合う展開を「ただターンマークを回っただけ(笑)」というラッキーなレースだったのも好相性のなせる業だ。「福岡は昔からなぜか成績が良くて、とにかく好きな水面。ああいう事が起きるのも福岡ならではだし、ここは優出することが大事」
今節は機力で上が多くいることは認めている。だからといって諦めるつもりは毛頭ない。前回のVはもちろん、6コースからのデビュー初優出初Vを含めて当地での成功体験は枚挙にいとまがない。「足で負けても何とかなるのが福岡。また優勝できるように、ここからきっちり積み上げていく」。3日目はメイン12RでV最右翼と目される長野壮志郎と対戦。最後に勝つためにも、まずはここで流れを呼び込む走りに徹する。(森 大輔)