ボートレース

【下関ボート(ナイター)GⅠ周年記念】特別インタビュー/寺田祥「負けられない」原田篤志「初Vならここ」/1月19日開幕

 ボートレース下関(山口県下関市)で19日、GⅠ開設69周年記念「競帝王決定戦」が開幕する。昨年のグランプリ(GP)覇者・石野貴之をはじめ、GP優出を果たした池田浩二、平本真之に、地元からは支部の二枚看板の白井英治と寺田祥、悲願のGⅠタイトルを目指す原田篤志ら超豪華メンバーが集結した。ボート界最高峰クラスのスピードバトルに注目だ。

■寺田祥インタビュー
 今村豊さん(2020年に引退)をはじめ数々の名選手を輩出してきた山口支部で唯一、グレード制導入以降、当地で開催されたSGを制したことがあるのが寺田祥(45)=山口=だ。20年8月のメモリアルで、自身2度目のSG制覇を準パーフェクトVという中身の濃さでやってのけた。下関ではほかにも、10、14年には周年記念、22年には中国地区選手権を制してGⅠは3優勝。今年の正月シリーズ(年またぎで1月2日が優勝戦)でも予選トップ通過から王道V。山口支部の屋台骨に今大会への意気込みを聞いた。

◆寺田祥(てらだ・しょう)
 1978年9月20日生まれ。山口県岩国市出身。岩国工高中退。登録番号3942。97年11月デビューの81期。99年7月に桐生で初優勝。2005年に徳山中国地区選手権でGⅠ初V。SGは17年8月に若松メモリアルで初Vを果たし、20年8月の下関メモリアルも制して通算2V。GⅠは通算10V。娘・空詩(くう)との親子レーサー。166センチ、55キロ、O型。

 ―年頭の地元の周年記念。ぜひ頑張りたい。

 「取れればいいけど、GⅠはそう簡単に取れるものではない。だけど今大会は、負けたら格好が付かないと思っています」

 ―昨年は3月に芦屋周年記念で優勝。5月には、縁がある水面の若松の一般戦でV。どんな年でしたか。

 「芦屋で優勝できましたが、率直に言って、それ以降は(目立った活躍が)何もなかったですね」

 ―ただSGは6大会に出場して、グラチャン、メモリアル、ダービー、グランプリシリーズと4大会で予選を突破しました。

 「もう少しのところまで行きましたが、あと一歩で駄目でした。そこで何か(詰めの甘さ)があったと思います。今年はその辺が良くなるように、うまいことやっていければという思いがあります」

娘・空詩と話す

 ―今年は11月に下関でチャレンジカップ(CC)が開催されます。

 「地元のSGなので当然、出場しないといけない。それまでに勝負どころのレースではしっかり、結果を求めたい」

 ―当地は20年のメモリアル、22年の地区選を含めて5連続Vという快記録を打ち立てたこともあります。

 「特別に大得意で大好きな水面というほどでもないけど、連続記録の中にSGやGⅠがあったのは巡り合わせが良かった。自分の印象以上にいい走りができる水面なのかもしれません。今の下関のエンジン相場が分かっている強みもあるし、今回も頑張ります」

■原田篤志インタビュー
 地元でGⅠ初制覇に挑むのが原田篤志(44)=山口=だ。下関では2014年10月の周年記念(2着)、22年2月の中国地区選手権(4着)と2度のGⅠ優出歴があるほか、昨年だけで10度も参戦した。誰よりも勝手知ったる水面で悲願達成を目指す。

◆原田篤志(はらだ・あつし)
 1979年10月31日生まれ。山口県光市出身。下松工高卒業。登録番号4064。2000年5月デビューの86期。07年11月に住之江で初優勝。14年10月に下関の周年記念でGⅠ初優出(2着)。GⅠ通算7優出でVはない。SG優出は15年10月の浜名湖ダービー(3着)の1回。160センチ、51キロ、O型。山口支部の副支部長を務める。

 ―昨年は1月に3年ぶりの優勝(からつ)を挙げて始まった一年。振り返っていかがですか。

 「12優出できて優勝もできたけど正直、パッとしなかった。抽選運が良くなくてエンジンに苦労をした一年でした。それでも、おかげで整備の勉強ができたし、自分の中ではそれは良かったと思います」

 ―昨年10回も参戦した下関については?

 「日本一好きな水面。乗りやすいし、エンジンの調整も分かっています。昨年は下関でもう一歩のところで優勝はできませんでしたが、優出は5回。結果は出ていると思っています」

 ―最後に意気込みを。

 「自分は気合を入れ過ぎてしまうと空回りしてしまうところがあります。なので、平常心を心がけて一走一走、目の前のレースに集中していきたいです」

■レース総展望
 一昨年のグランプリ(GP)覇者・白井英治が負けられない。昨年は10Vを記録したが、いずれも一般戦でのもの。2022年8月の浜名湖(静岡県)のSGメモリアル優勝戦Fのペナルティーがあり、SG戦線から離脱。復帰した2023年11月の三国(福井県)のSGチャレンジカップ(CC)では予選を突破したが、優出はかなわず、GP連覇の夢はそこで絶たれた。だが、再びGPの舞台に立つためにも、今年GⅠ初戦となる今大会には並々ならぬ気合で参戦してくるはず。11月には当地でCC開催も控えるだけに、年初からフルスロットルの活躍を見せる。

白井英治(山口)

 寺田祥も地元GⅠ制覇へ意欲を見せる。20年8月の当地メモリアルで悲願の地元SG初制覇を達成した。10、14年には当地周年タイトルを獲得し、22年の中国地区選手権もVと当地GⅠは3度の優勝歴がある。好相性の下関での4度目のGⅠタイトル奪取へ、静かに闘志を燃やす。

寺田祥(山口)

 この地元のダブルエースにとって最大のライバルとなるのが、松井繁、石野貴之、上條暢嵩ら強力大阪支部勢だ。中でも脅威が昨年のMVP石野。5月の芦屋オールスターで約2年ぶりのSGVを達成すると、GPでも破格の走りで2度目のV。ボート界屈指の爆発力を秘めた男がGP連覇へ好発進を目指す。

石野貴之(大阪)

 その他にも池田浩二、平本真之、馬場貴也、瓜生正義、桐生順平、篠崎仁志とV候補は枚挙にいとまがない。地元山口支部勢はダブルエースのほか、谷村一哉、原田篤志、竹田辰也、海野康志郎、柳生泰二、佐々木完太が参戦。地元ファンの期待が集まる。

原田篤志(山口)
  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena

関連ニュース

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena