【浜名湖ボート・GⅠ周年記念】深谷知博 エースの仕事

首の皮一枚つながった。深谷知博(35)=静岡=は3日目の2走はいずれも粘っこく3着。「何とか残せましたね」。1日早い勝負駆けに追い込まれていたが、気合の走りで大敗を免れたことで勝負駆けは予選ラストまで続行。地元周年で執念の走りを見せている。
機力もここに来てようやく上昇ムード。初日から大整備を繰り返した努力が、実を結びつつある。「部品は全部最初のものに戻してペラを大幅に叩き変えた。Sの足で笠原さんに分が悪かったけど、回り足はまずまずで中堅にはなっている」。分が悪かったというSの足も、「ニードル調整が間違っていたかも」と修正点はきっちり把握。序盤のワースト級から戦えるレベルに引き上げた。
昨年末の住之江グランプリシリーズを制して、SGは3Vに到達。養成所を8点勝率で卒業した逸材が、名実ともに静岡のエースになりつつある。だからこそ地元周年は絶対に負けられない。「エンジンが出ていなくても、ちゃんと結果を残すのがエースだと思う。そういう選手になりたいし、今節もしっかり走りたい」
予選突破の条件は1走で8点。最後に残るのが絶好枠なら、一心不乱に逃げるのみだ。「きっちり決めます。何としても予選は突破したい」。機力不足はあふれる気力でカバー。静岡の新エースとして確固たる存在感を示す。