【クローズアップ】乙藤智史　本来の姿を見せる【福岡】２日目５、９Ｒに出走

　課題の見えた一戦になった。乙藤智史（38）＝福岡＝は、初陣となった初日８Ｒで道中の競りに敗れて４着。「福岡を一年ぶりに走ったから、何か感覚をつかめていなかった」。うねる水面だからこそ地の利を発揮したかっただけに、初日の走りを猛省した。
　機力もまだ手探り状態。「どの足も普通はあって△が付くほど悪くないが…」と言うが、「出足は重い」とまだ完調にはほど遠い。とはいえ、「まだペラ調整は進んでいない」のも紛れもない事実。当地で見せる快速仕立てになる余地は残されており、ここからが地元の真骨頂だ。
　前々期の期末だった昨年の４月にＦを切ってから、５月、９月と立て続けにＦを切り、前期は事故率の消化に奔走。本来の姿を波も見せられなかった。「本当ににっちもさっちもいかなかった。でも、今期はしっかり自分のレースができている。まだ完全体じゃないですけどね」
　その言葉どおりに現在勝率は5.87とＡ級復帰へ順調な足取りを見せている。「出走回数が足りないのでＡ１には届かないけど、来期にＡ１になるためにも何とかＡ２には戻りたい」。自らの能力を確認するためにも、今節の強力なメンバーは持ってこい。完全復活の足掛かりをつかむためにも、ＳＧクラスに思い切りぶつかっていく。（森　大輔）