ボートレース

【浜名湖ボート・GⅠ周年記念】峰竜太がGⅠ18V 今年はさらなる高みへ

 浜名湖ボートのGⅠ開設70周年記念「浜名湖賞」(優勝賞金1100万円)は30日、最終12Rで優勝戦を行い、絶好枠1号艇の峰竜太(38)=佐賀=がイン逃げを決めて快勝。圧倒的な人気に応えて押し切った。2着は3号艇の菊地孝平、3着は5号艇の秦英悟で2連単、3連単ともに本命サイドでの結末に終わった。峰はこれが通算101回目のVで、GⅠは18回目、浜名湖周年は2度目のVとなった。今節の総売上額は90億464万8700円で、浜名湖の周年記念での節間最高売上額をマーク。目標額の75億円を大きく上回る大盛況の中で幕を閉じた。

優勝メダルを手にお決まりのアロハポーズを決める峰竜太

■ヒーロー 

 最後は腹をくくった。絶好枠に陣取る峰竜太は唯一の不安要素だったSで0.03のトップSを発動。「僕がF持ちなんで、(上野)真之介も菊地さんもS勝負に来るはず。F2になるリスクは高まるけど、行くしかないと思って覚悟を決めた。Sは全速です」。ここまで際どくSを踏み込まれては他艇になすすべはなかった。

 初日ドリームでの勝利からVの王道を歩みきった。もちろん、「足には自信を持っていた」と機力面でのアドバンテージが大きかったのは言うまでもないが、〝気力〟の面でも他を圧倒していた。「地元の人を差し置いて2日目じゃなくて初日のドリーム1号艇。すごく意気に感じた。絶対に恩返しをするつもりだった」

 昨年はSG、GⅠの出場停止のペナルティーがありながら、SG復帰初戦の蒲郡ダービーでV。獲得賞金順位の1位でグランプリにも出場する活躍で、はた目から見れば実力に衰えがないところを証明した。しかし、本人の思いは違っていた。「勝てなかったグランプリで自分の弱さに衰えも感じた。もっと地力を付けないといけないと痛感しました」

 自らの転覆(妨害失格)で41億円もの大返還となった2021年のグランプリのリベンジを期して臨んだ一戦で学んだプロスポーツの厳しさ。だからこそ、今年はさらなる強い思いで一年を駆け抜けるつもりでいる。「自分がボート界のトップレベルでレースをやれるのは、年齢を考えてもあと3~4年だと思う。チャンスはもう残り少ない。自分がこの業界で明確にトップなんだという証明が欲しいので、もう一回、誰もやったことがないような〝てっぺん〟を目指したい」。昨年と違い年初からフルで特別戦に参戦する2024年。酸いも甘いもかみ分けたボート界最強の選手が、どこまで高みに登るか目が離せない。(森 大輔)
 

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