ボートレース

【びわこボート・GⅡレディースオールスター】渡邉優美が特別戦初V/優出1枠にも重圧無縁で「ワクワク」

念願の特別戦初Vを喜ぶ渡邉優美

 人気女子選手が集結し、びわこボート(滋賀県大津市)で激闘を繰り広げたGⅡ「第8回レディースオールスター」は最終日の25日、12Rで優勝戦(1着賞金460万円)を争い、1号艇の渡邉優美(31)がイン逃げで優勝。GⅡ以上は初めて、通算では14回目のVを挙げた。2着は2号艇の宇野弥生、3着は得票1位だった6号艇の守屋美穂で、3連単は2670円の11番人気。6日間の総売上額は90億9580万700円で、目標額の90億円をクリアした。

渡邉優美(中央)を祝福する福岡支部勢(左から竹井奈美、川野芽唯、魚谷香織、渡邉、小野生奈、野田部宏子、神里琴音)

 中学を卒業してすぐに飛び込んだこの世界。31歳にして既に15年のキャリアがある渡辺優美が、ついに初タイトルをつかんだ。「選んでくれたファンの方々に感謝でいっぱい。(得票6位で)ドリームにまで乗れてびっくりした。タイトルを取ることは今年の目標の一つでしたし、うれしいです」。自己最高の得票と順位に結果で応えてみせた。

 振り返ればその6位というのが絶妙だった。予選の6枠は得点増しのドリーム。序盤2日間は4、6、2着と振るわなかったが、そこでもう5、6枠は消化。3日目から破竹の5連勝でVまで駆け抜けることができたのも、その枠番の巡りのおかげ。ファンの力が本当に大きかった。

 ポジティブ思考もVを後押し。予選3位から巡ってきた優出1枠に、重圧を感じるよりも「ワクワク感が大きかった」。最終日、その気持ちはペラ調整に全て傾け、「帰り支度も忘れるぐらいに叩いていた。それで良くなっていましたね。行き足もグリップも良くて、自信を持って1Mを回れた」。精神も機力も仕上がった状態でのイン戦なら、結果が伴って当然だった。

 昨年、初めてSGを経験。「今年はそこで結果を出す選手になりたい」。そして目指すのは、女子では遠藤エミしか実現させていないグランプリ出場だが、背伸びはしない。「いきなりジャンプアップできるスター性は私にはない。地道に積み重ねて、いつの間にか出られたらと思う」

 この初タイトルまでの道のりも「順調ではないかな。コツコツときたと思う」。誰よりも練習と研究を重ねて、自らの努力で地力を引き上げてきた自負がある。この後はF休みが待つが、5月と7月のSG出場が有望で、8月には地元福岡でレディースチャンピオンと、着実に稼げそうな戦いが次々に待つ。今年にもう、知らず知らずに全体の賞金上位に食い込む可能性もありそうだ。(深堀慎一郎)

ピットに戻ってガッツポーズの渡邉優美

 ◆渡邉優美(わたなべ・ゆみ)1992年9月19日生まれ。福岡市出身。平尾中卒業。登録番号4590。2009年11月デビューの105期。16年1月に大村で初V。21年8月の浜名湖レディースチャンピオンでGⅠ初優出(3着)。23年は5月に芦屋オールスターでSG初出場を果たし、10月にはダービーで2度目のSG出場。160センチ、50キロ、B型。

■戦い終わって
 宇野弥生(2着)すごくいい状態で行けた。今節で一番良かった。Sも思い切り行けて、何の悔いもない。
 守屋美穂(3着)バランスが取れて足は良かった。ただ1Mもその後も、もっと速いターンがしたかった。反省点が多かった。
 海野ゆかり(4着)いつも出ない展示タイムが優勝戦は出ていた。今節で一番良かった。
 遠藤エミ(5着)試運転では伸びていたけど、レースではそれほど伸びなかったし、雨のせいか重さがあった。チルト0度もその対処だった。次、頑張ります。
 三浦永理(6着)(まくり差しに)ちょっと入れなかった。入れないと大敗してしまう攻めだが、まくれる隊形ではなかったし、仕方がない。仕上がりは良かった。伸びも良かったし、出足も意外と良かった。

■優勝戦VTR
 枠なりの3対3の進入。イン渡邉が07のトップS。次ぐ09の2コース宇野がやや伸びたが、渡邉は問題なく持たせて先マイ。宇野は差しに構えた。3コース三浦が渡邉の懐にまくり差しを狙ったが引き波を越えられずに後退。5コース海野も宇野の内へとまくり差しを狙ったが、4コース遠藤と競り合いながらで勢いが減退。大外の守屋が最内を差してBSへ抜けた。

 BSは渡邉が大きく抜け出し、早々とVは確定的。焦点の次位争いは宇野が優勢で、内から守屋が2艇身差で迫って2Mへ。

 2Mは宇野が守屋を抱きながら回ったが、2周HSではほぼ並走になり、2人の競り合いは続行。3周HSで伸び切った宇野が守屋をやっと振り切り、2着に入った。

12R優勝戦の1周2Mを先頭で回る渡邉優美

 

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