【ボートレース】ボートレーサー養成所修了式/広島出身の小林甘寧が134期チャンプ
ボートレーサーを目指して1年間、厳しい訓練を乗り越えた134期の修了記念競走が22日、ボートレーサー養成所(福岡県柳川市)で行われた。家族や関係者ら約350人が見守る中、134期のチャンピオンを決める最終5Rの「養成所チャンプ決定戦」は、2号艇の小林甘寧(こばやし・かんねい、20)=広島=が2コースから差して優勝。広島支部からは89期の吉本玲緒以来、4人目のチャンプとなった。2着は萩原丈太朗(19)=福井、3着は谷口丞(20)=滋賀=が入った。リーグ勝率1位の長谷川暖(19)=岡山=は事故点により同決定戦に出場できなかったが、修了記念競走の2戦で連勝するなど会場を沸かせた。修了生の25人(女子9人)は、5月から全国各地でデビュー戦を迎える。
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■ヒーロー
ボートレーサー人生で1度しかつかむことのできない称号を、小林甘寧が2コースから勝ち取り、134代目のチャンプに輝いた。
「養成所チャンプ決定戦」は枠なりで、インから先マイを狙った1号艇の萩原、トップSのコンマ08で3号艇から強襲を仕掛けた谷口、差しに構えた小林がトップを争い、1周BSで三つどもえとなった。「谷口選手はツケマイが得意なので、3コースからはめられないように、しっかり差して入っていった」。その後、先頭を走る小林に航続艇が迫ったが「2周1Mは平常心で冷静な旋回ができた」。そのまま首位をキープして、歓喜のゴールを駆け抜けた。
レーサーを志したのは、叔父の薦めで見にいった宮島ボート。「旋回スピードとモーター音の迫力に魅了され自分も乗ってみたい」と思ったという。夢への第一歩でもある訓練生活は「長いようで短くて、内容の濃い1年だった」と振り返った。リーグ勝率は3位で修了記念競走を迎えたが、第5戦のリーグ戦を制し、第6戦を終えた時点では総合成績1位。今後が期待できる才能も持ち合わせている。
表彰式では「賞金王を取りたいです」と高らかな目標を掲げ、そのための一歩として「2年以内にヤングダービーに出場したい」と抱負を語った。今年5月に宮島でデビューする。「新人らしく握って回れるレースで、最後まで諦めず一つでも上の着を取れるように頑張りたい」。これからの夢舞台での活躍を誓った。(河野強)