【からつボート・GⅠダイヤモンドC】末永和也 特別インタビュー「大きく育ててもらった地元に恩返し」/3月26日開幕
からつボート(佐賀県唐津市)のGⅠ「唐津ダイヤモンドカップ」(優勝賞金1000万円)が26日、開幕する。メンバーは超豪華。佐賀支部どころかボート界のエースとして君臨する峰竜太をはじめ、グランプリ常連の馬場貴也、茅原悠紀、桐生順平に、昨年9月のからつのGⅠ開設70周年を制した濱野谷憲吾、昨年7月のからつのGⅡモーターボート大賞の覇者山口剛も参戦。さらに、ともに昨年SGウイナーの仲間入りを果たした羽野直也、土屋智則と実力者がズラリ。そんな猛者たちを迎え撃つ地元勢の一角で、これが地元GⅠ初出場の佐賀の次世代エース末永和也(25)に熱い思いを語ってもらった。
◆末永和也(すえなが・かずや)1999年2月16日生まれの25歳。佐賀県唐津市出身。唐津商高卒。登録番号5084。124期として養成所入所。勝率1位の7.04をマークしただけでなく修了記念チャンプにも輝き、超有望株と期待されて2019年5月にからつでデビュー。その期待にたがわぬ足跡をたどり、22年には最優秀新人のタイトルを獲得。昨年2月には若松の九州地区選でデビュー3年目にしてGⅠ初Vを飾り、3月には平和島のクラシックでSGデビューと出世街道を歩む。デビュー通算33優出8V、生涯獲得賞金1億1874万7200円(3月12日現在)。同期は前田翔、篠原飛翔、篠原晟弥、高憧四季ら。173センチ、53キロ、A型。
■■待望の地元GⅠ初出場■■
——お待ちかねの地元GⅠ初登場です。
「昨年の後半はペナルティー(昨年3月の多摩川周年の準優でF)で、9月に周年記念があったからつも含めてGⅠに出られませんでした。今回がからつでは初めてのGⅠなので、勝ちたい気持ちは強いです」
——そのペナルティーこそありましたが、昨年は2月に若松の九州地区選でGⅠ初V。飛躍の年になったのも確かです。
「昨年は一年を通して調子が良かった。7回も優勝できてGⅠまで勝てた。自分の力以上の結果を残せたかなと感じています。正直に言うと、こんなに早くGⅠを勝てるとは思っていなかった」
——とはいえ勝つべくして勝った堂々のレースぶりでした。
「優勝戦はもちろんだけど、一番プレッシャーがかかっていたのは準優の1号艇でした。そこで逃げられたことで、メンタル面ではかなり成長できました。本当にいい経験をさせてもらえました」
——今の成長の要因は何だと考えていますか?
「本当に環境に恵まれていることだと思います。峰(竜太)さんのグループにいて、師匠の上野(真之介)さんにも本当によくしてもらえて。その中でも、1期下の定松(勇樹)君の存在が特に大きいと思います」
——定松選手も同じ峰選手グループ。しかも2人とも、養成所の勝率1位で修了記念チャンプという共通項のある間柄。
「定松君は本当にうまい。でも、自分も絶対に負けたくないし、向こうが優勝したら自分も優勝しなければいけないという気持ちにさせてくれます。お互いを高め合える最高のライバルです」
——一緒に過ごす時間も長い?
「2期下の常住(蓮)君もそうだけど、ずっと一緒にいる感じ。いつもからつで一緒に練習していて、彼らがいるおかげで普段から質の高い練習ができています。ターンを磨けるし、お互いにとっていい関係でいられる。この関係は引退するまで一生続くと思うので、みんなケガをせずにずっと高め合っていきたい」
——今年はSGやGⅠのあっせんが増えそうですが、課題と捉えているものは何かありますか?
「課題は全てですけど、一番は伸びをつける調整ですね。今までは回り足重視だったけど、やっぱりSGやGⅠは伸びがないと苦しい。特に今はF持ちなので、せめて伸びを人並みにしないと戦えないと思います」
■■「GⅠは優出、SGは予選突破が第一ノルマ」■■
——今年の目標はどこに置いていますか?
「GⅠは毎回、優出。SGに出たなら何としても準優には乗りたい。もちろん優勝はしたいけど、まずはそこからですね。でも、上位戦線の雰囲気にもだいぶ慣れてきたし、今年は結果を残したいと思っています」
——今年の初めは少しつまずきましたね。
「Fを切って転覆でも事故点を付けて、本当に最悪の滑り出しでした。そのせいでターンも消極的になりすぎて悪循環になっていました」
——そうなると地元のからつで流れを変えたいですね。
「からつはいいターンができる自信があります。というより、からつでしかいいターンができていない(笑)。一番練習しているレース場なんで、水面のクセも分かってます。どこで初動を切ったらどこに舟が運べるとか、そういうことが一番分かっている水面です」
——最後に意気込みを。
「自分は地元のからつで大きくしてもらえたと思っているし、地元で勝って恩返しをしたい。弟子(福岡支部の安河内鈴之介)もできたので、変な姿は見せられない。より一層頑張ります」