ウシュバテソーロが初V 東京大賞典 【大井】
大井競馬の「第68回東京大賞典」(G1・2000メートル)は29日、単勝2番人気のウシュバテソーロが自慢の決め手を生かして豪快に突き抜け、今年最後のG1を締めくくった。勝ち時計は2分5秒0で、重賞初挑戦でG1初制覇を飾った。高木登調教師(57)=美浦=は2015年サウンドトゥルー以来2度目、横山和生騎手(29)=美浦・フリー=はこのレース初勝利。1馬身3/4差の2着に4番人気のノットゥルノが入り、1番人気のメイショウハリオはさらに2馬身1/2差の3着だった。
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ダート界の新星が見事に突き抜けた。混戦が予想された年の瀬の大一番。それを勝ち切ったのは、2連勝の勢いそのままに重賞に初挑戦したウシュバテソーロだった。「うれしいです。この馬の力を引き出せて良かったし、結果を出してくれたことを頼もしく思います」と横山和。直線で目の覚めるような末脚を披露し、ビッグタイトル獲得に成功。ファンの視線を独り占めした。
「毎回、終いはしっかり脚を使うので、そこを生かしたいと考えていました」。鞍上の言葉通り、ダート路線に変更後は後方待機からの差しを基本戦術としていたが、今回はコース特性などから中団後ろで展開した。「スローで多少しんどい部分もあった」と言うが、3コーナーから流れに動きがあると人馬ともにスイッチオン。外々を一気に追い上げ、鞍上のステッキに鋭い反応で応えてライバルたちを圧倒した。
年明けでまだ6歳。張りのある好馬体と、勝負どころの加速力などを見ればこれからどこまで強くなるのか底は知れない。愛馬の活躍を見守った高木登師も「テンションが上がりやすいけど、それは常識にかかってきました。左右の回りに関係なく走るし、やはり終いの切れはいいですね」と目を細める。次走は未定だが、来年はパワーアップした姿でダート界の先頭を突っ走ってくれるだろう。 (森田雄喜)