競輪

【久留米競輪(ナイター)GⅠオールガールズクラシック】児玉碧衣 最高の舞台整った

 児玉碧衣が、念願の瞬間に近づいている。2月に体調を崩して絶不調の底にいた選手と同一人物かと疑うほどに見違える走りを見せている。準決を終えて「前回の松山から急に良くなった。それから練習して、松山より良くなっている」と自信たっぷり。「誰も行かなければ終HSで行こうと決めていた」。準決の強力メンバーを前にしても、カマシ逃げで勝てる手応えが十分にある。

 「昨年も賞金的に厳しい位置にいて、パールカップでグランプリの権利を取れた。今年も同じ。グランプリの切符を一番最初に取りたい」。もう二度と走ることがないかもしれない、ホームバンクでのGⅠ決勝。ファンの声援を力に変えて、パワーを爆発させる。

決勝進出を果たしインタビューに答える児玉碧衣

 12R、野口諭実可は児玉の後位に追い上げて、細田愛未に踏み勝っての児玉マーク。2着を確保した。「久しぶりに碧衣さんの後ろに付いたんですが、バイク誘導みたいで、きつくて死にました。目まいがして、終わった後は脚がガクガク、頭も痛かったです」。独特の言い回しと高音ボイスで報道陣を和ませた。ガルコレやガールズケイリンフェスティバルで大舞台は経験済み。だが大一番の確定板はまだ経験がない。「強い選手が前にいたら、思い切りへばりついて頑張りたいと思いますので、応援のほどよろしくお願いしまーす」と話すと、誰となく拍手が湧き起こった。不思議な空間に周囲を引き込む能力の持ち主は、児玉とのワイドのワンツーを狙っているに違いない。

 九州でのGⅠは、毎年行われている競輪祭を除けば5年前の別府・全日本選抜以来。そのときは中川誠一郎が単騎で逃げ切った。今回もきっと、他地区にタイトルを渡すことはない。

穏やかな表情と口調で会見に応じた野口諭実可
  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena

関連ニュース

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena