競輪

【久留米競輪(ナイター)GⅠオールガールズクラシック】「アオイコールが力に」児玉碧衣が地元GⅠ制覇

優勝カップを手に取る児玉碧衣

 久留米競輪のナイターGⅠ「第2回オールガールズクラシック」は最終日の28日、最終12Rで決勝を行い、児玉碧衣(28)=福岡・108期=が2角捲りで制した。2度目のGⅠ制覇を地元バンクで成し遂げ、優勝賞金750万円(副賞込み)と年末のガールズグランプリ出場権を獲得した。2着は吉川美穂、3着は尾崎睦。3日間の総売上額は30億1413万9100円で、目標額の26億3000万円を上回った。

ヒロイン

 久留米が誇るスーパーヒロインが完全復活。児玉碧衣が、地元バンクでうれしいGⅠ2V目を遂げた。

 Sけん制で幕を開けた決勝戦。初手で中団4番手を確保し、自身の後位を吉川美穂と野口諭実可が取り合って並走する展開。「吉川さんは連日、伸びていたのでカマしたら差されるかな。捲り勝負に切り替えた」と終2角でスパート開始。車間を大きく切る尾崎睦らを尻目に悠々と捲り上げると、一気に前をのみ込んで制圧。警戒していた吉川の追い上げも振り切り、歓喜のゴールを迎えた。

 今年の2月に腰痛と度重なる体調不良で調子を落とした。3月の別府で復帰したが、「タイムが本当に出ていなくて。(2022年の)GPで落車した後よりも状態が悪いかも」。結果は2、2、6着。決勝は見せ場すら作れず完敗だった。次のガールズコレクション(取手)も最下位に敗れ、誰もが地元の大一番に間に合うのか不安を抱いたはずだ。「取手で悔しい思いをした。こんなに差があるのかと。死ぬ気で練習してきた」。5月に入り玉野、松山と2連続完全V。「松山から調子が良くなってきた」と復調をアピールして、今場所に乗り込んできた。

 レース後はお金が好きな性格ながら、「賞金の使い道は考えていたが、忘れてしまいました」とまさかのうっかり。それほど地元GⅠ制覇に向けて集中力を高めていたに違いない。「お客さんの声援がすごかった。脚見せからどこもかしも『アオイコール』で力になった」とファンに感謝しきり。

 9年連続でのGP出場も決まったが、「昨年はパールカップ後に気持ちがリセットしてしまった。今のままではナショナルチームに勝てないので、気持ちを切らさず、向上心を持っていきたい」。ファンの応援を背に、これからも進化を続けていく。(造田 大)

賞金ボードを掲げる児玉碧衣

 ◆児玉碧衣(こだま・あおい)1995年5月8日生まれの28歳。福岡県大野城市出身。私立筑陽学園高卒。2015年7月、福岡支部108期でデビュー(松戸①①❷)。通算成績は646走で536勝、優勝157回。主なタイトルは23年パールカップ(GⅠ)、20年GPなど。通算取得賞金は1億9866万8800円。ホームバンクは久留米。師匠は藤田剣次(85期)。169・2センチ、66・5キロ、太もも66センチ、O型。 

ピースマークで優勝を喜ぶ児玉碧衣

 【決勝VTR】けん制が入ったが、小林がSを取る。小林、尾崎、柳原、児玉、吉川、野口、久米で周回。赤板前で久米が上昇し、児玉の前に入る。野口は吉川と児玉の後ろで並走に。打鐘で久米が再度、上昇するが、誰も思い切っては仕掛けず。終HSで先頭の小林が先行態勢に入り、小林の番手は久米、児玉の後位は吉川が取る。3番手の尾崎が車間を切るが、児玉が2角から捲り上げ、前を行く尾崎らを乗り越えて、4角先頭。マーク吉川らを振り切って勝利。児玉目標に追い上げた吉川が2着。3着争いは3番手から流れ込んだ尾崎。

 【戦い終わって】

 吉川美穂(2着)Sけん制が入って、想定と違う形になった。すんなり番手なら差せると思ったが。自分の脚がなかった。

 尾崎睦(3着)Sはいらなかった。児玉さんが強かった。もう一つ、二つ、三つ脚力を上げていかないとGⅠに届かない。ただ、今の練習は間違っていないと思う。

 柳原真緒(4着)優勝を目指すならば、前はいらなかった。仕掛けられない弱い自分がいた。

 野口諭実可(5着)決勝に乗れただけでもやれた方かな。一般開催でも優勝をたくさんできるようになりたい。

 久米詩(6着)年上の莉子さんに悪いことをしたが、Sは欲しくなかった。番手に入れたが、6着まで沈んだ。弱かった。パールカップまでに成長したい。

 小林莉子(7着)Sはいらなかったが、誰も取らなかったので。とにかく脚がなかった。普段、逃げていないツキが出た。練習します。

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