【武雄競輪・GⅢ開設記念】山田英明「勉強になった」 ジカ競りを挑んできた稲川翔に感謝
山田英明の表情に曇りはなかった。2018年以来、2回目の地元開設記念制覇を狙ったが、4着。それでも稲川翔との競りを経ての結果に、充実感を漂わせた。
地元勢で唯一、決勝に進出。2日目にワンツーを決めた清水裕友を決勝でも目標にしたが、稲川翔との競りになった。赤板1角、清水が上昇した際に連係を外した。それでも執念の追い上げを見せた。打鐘では6番手内並走。そこから内を進み、終HSでは先頭の清水のハコを稲川から奪回。4着に終わったが、地元ファンの胸を熱くする走りだった。
レースでのジカ競りは初めてだった。「間合いの取り方などが難しかった。いい勉強になりました。イナショー(稲川)も気を使ってあいさつに来てくれた。きれいな形だった。むしろ『ありがとう』と言いたいですね。レースに負けて悔しいが、何かフワッとした気持ちです」。地元記念決勝での試練を、穏やかな表情で振り返った。
レース後の検車場前では弟の庸平と言葉を交わす場面も見られた。「お互いそれぞれのレースを外から見ての感想や考えを交換した。兄弟そろってまた頑張ります」。佐賀のダブルエースが悲願のGⅠ制覇に向けて、大きな収穫を得た一節だった。