競輪

【岸和田競輪・GⅠ高松宮記念杯】奥井迪が派手なガッツポーズ 理由は「インタビューされたくて」

 奥井迪が勝利を全身で喜んだ。ゴール後の周回で確定板を確認すると、右手を高々と挙げ、続けて何度も拳を突き上げた。パールカップ準決(東)の2日目11R、GⅠでの勝ち上がりで初めての1着。「自力の、自分が描いたレースで勝ち上がれてうれしかった」と勝利に興奮気味だった。

 ガッツポーズの理由はそれだけではなかった。「お客さんの声援がすごかった。レース前に『奥井さん、きょうは1着取れるよ!』と励ましてもらった。それで『私、1着取れるんだ』と思った」。ファンと一体化して2角番手捲りを放ち、押し切り。「1着を取って、皆さんの前でインタビューされたい、お礼を言いたいと思った」。東のチャンピオンとしてステージに立った表彰式では、声援で勝てたことを説明して「みなさん、本当にありがとうございました」と笑顔で頭を下げた。

 通算552勝目を挙げた奥井だが、ビッグレースとの縁は薄い。2017年の平塚グランプリでは、石井寛子に差されて「先行の神様はいないの…」と泣き崩れた。唯一の勲章は、ガールズ10周年を記念して行われた2022年9月のティアラカップ。特別レースとして行われたが、第2回がないイレギュラーな大会のためか、KEIRIN.JPの選手ページ「特別競輪出走履歴」には記載がない。

 初のGⅠ決勝に歩を進めたが、「気を引き締めて、勝ちに行く。自分のスタイルで優勝したい」。常に風を受けて自力で突っ走ってきた。通算900走目に当たる決勝で、そろそろ神様がほほ笑んでくれないものか。

 ▼12R(奥井迪) 先行をいとわない奥井の後位が渋滞すればチャンス。相手は捲りがパワフルな尾崎、山原。2―56―全。

 ▼8R(小原太樹) 前回の全プロ記念で落車したが、何とか力を出せる状態。弟子の青野将大の先行がほぼ確実。中団捲りの吉田か菅田と組み合わせて狙う。9―25―123567。

声援に後押しされて準決を勝利した奥井迪


 

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