競輪

【別府競輪(モーニング)FⅡ】今期限りで引退の竹元太志「選手になったことは後悔していない」

すがすがしい表情で「悔いはない」と話す竹元太志

2日目2Rは、今期限りで引退の竹元太志が必死の先行勝負。木谷凉と礒田義則の〝ツー・スリー〟に貢献した。「踏んでも踏んでも掛からなくて、あれ、あれって感じだった」と競走直後にもかかわらず、そこまで息を切らすことなくレースを振り返った。

 高校時代はインターハイの1000メートルで3位に入るなど相当な実績を残すと、競輪学校(現在の選手養成所)107期を在校10位で卒業。九州期待のパワーレーサーとして将来を嘱望されたが、2018年7月の当地決勝で6着。S級勝負駆けに失敗したことで歯車が崩れた。「上に行けていれば何かが変わっていたかも。あれで気持ちが切れちゃった」と悔しそうに振り返った。

 今期は点数的にも余裕を持ってスタートしていたが、ズルズルと代謝争いに巻き込まれ、下位30人のボーダーを割り込んだ。「ありがたいことに周りからも〝頑張れよ〟って声をかけてもらっていたし、ちゃんと練習もやっていた。でも、サボっていたツケが回ってきましたね」。全くついてこない結果に焦り、一人で悩むうちに「こんな感じで助かっても遅かれ早かれクビになる。だったら…」。

 6月いっぱいでバンクを去ることになるが「10年間だったけど自分ではやりきったと思うし、選手になったことは後悔していない」ときっぱり。ただ、ほんの少しだけ選択ミスしたといえば「大学に行ってから選手になりたかった。しっかりと確立されたトレーニング理論でもっと力をつけ、自分を磨いてみたかった」。エリートだった高校時代の延長で飛び込んだが、人間関係を含めた厳しいプロの世界を生き抜く下地が備わっていなかった。

 とはいえ、まだ28歳。夢も希望もある。「お仕事の話を数件いただいているし、まずは世の中のいろんな経験をしてみたい。あと、いつになるかは分からないけど焼き肉屋をやれたらなぁって。こんなに太っている自分が出す肉だったら絶対においしいって思ってもらえるでしょ?」。たくましくなり過ぎたおなかをさすって、爽やかに笑った。

 

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