競輪

【佐世保競輪(ナイター)FⅡ】イップスを疑うA3落ちの小野俊之「修正して大きな波に乗っていく」

「大きな波に乗る」と反撃を誓う小野俊之

 「イップスじゃないかと思うんですよ」。かつて頂点に立った小野俊之がまさかの告白だ。力感に対して自転車が全く進まない現象が何年も続いている。「両膝をケガしたし、確かに以前に比べると脚は落ちている。でもそれにしても、おかしいね」。鳴りを潜めているにしても、あまりにもひど過ぎる。

 今期は初のA3落ちで、その初戦でいきなり7着。前を任せた自力型が赤板から叩きに出た、何ともない動きを追えなかった。「離れるはずがないところで離れた。おかしいやろ」。残りの2日間は2、2着。チャレンジの一般戦で一度も勝てなかった。「子どもの頃から勝負の世界で戦ってきた自分がいま、人生で一番の底に落ちている」

 20年前にグランプリを制した男が思い浮かべるのは、鳴り物入りで輪界入りした、はるか昔の自分だ。「デビュー戦が2着で(2、1、決勝1着)、その次も完全優勝ができなかった。その時と同じ感覚がする。練習で良くても、その力がレースで全く出せていない」

 コメントの節々からもどかしい様子が伝わってくるが、ふと真剣な目つきをすると「この世界は何を言っても結果が全て。また大きな波が来ると思うから早めに修正をかけて、その波に乗っていきます。見ていてください」ときっぱり。豊後の虎が谷底からはい上がってみせる。

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