競輪

【熊本競輪・再建記念FⅠ】中川誠一郎が3日間を走り切り「あらがえなくなってきている」

最終日10Rを終えた直後の中川誠一郎(右)。左は同Rで連係した中本匠栄

 今開催、最も声援を受けたのは中川誠一郎だ。熊本地震の直後にダービーでGⅠ初制覇。一気に復興の象徴となるべき旗手となった。それから8年4カ月。「再開に向けて気持ちを高めたというか、途中からはここへ向けて耐えていただけだった」と、苦しみながらも選手としての力量キープに努力を重ねた。

 そして約9年ぶりの地元戦。3日間を走り終え、「もう思い残すことはない。脚が落ちている。きょう自力で走って分かった。こんなに悪いとは思わなかった。最終日、理想の走りをしようと先捲りを打ったが、最後は次々に抜かれた。準決も(嘉永)泰斗と口が空いた。反応が悪い。(年齢に)あらがえなくなってきている」と静かに話した。

 引退を口にしそうな雰囲気になったが、「でも半分は悔しさもあった。準決で口が空いたのも悔しかった。まったく悔しくなければ辞めようかと思っていた。もうちょっとあらがわないといけない」と自分の気持ちを確認して、次の戦いに進む。

 スタンドの雰囲気については「まだお祭り気分が残っているからか、ヤジというよりは心配のやさしい感じだった。準決は泰斗にヤジが飛んでいたけど、泰斗は熊本のエース。泰斗は自分のレースで勝たないといけないし、自分はそれに付いていかないと。後ろの(中本)匠栄に悪かった。泰斗じゃなく僕の責任です」と嘉永だけが勝ち上がった2日目12Rについても振り返った。

 来月はGⅠオールスターに出場する。「ファン投票で出させてもらえるけど、熊本のGⅠ(2026年2月の全日本選抜)は誘導かもしれない」。周囲の期待が大き過ぎるだけに苦悩は続くが、ホームバンクの復活を契機に、もう一度上昇気流に乗ってほしいとファンは願っている。

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