清水前人未到の記念5連覇 開設記念 【防府】

防府競輪のG3開設73周年記念「周防国府杯争奪戦」は6日、最終12Rで決勝を行い、大会4連覇中だった清水裕友(27)=山口・105期=が捲って優勝。前人未到の記念競輪5連覇を果たした。清水のG3制覇は昨年11月のこの大会以来8回目。2着は清水マークの桑原大志で、地元ワンツーだった。人気の郡司浩平は園田匠と接触して、佐藤慎太郎らとともに落車棄権。4日間の総売上額は53億2027万8000円で目標額の53億円をクリアした。
■ヒーロー
子どもの頃から何度も訪れ、汗を流してきたバンクは、清水にとって唯一無二の特別の場所だ。「何か分からん力が働きますね」と汗を拭った。昨年の同一記念4連覇も史上初だったが、さらにそれを更新するV5。「いやー、大したもん。これだけは誇れますね」と自画自賛した。
初日、SS5人が居並ぶ特選で、松浦悠士の前を直訴した。「自力で動いているところをお客さんに見てほしい」。防府はこの大会が終わると約2年間、スタンド改修でレース開催がない。自分の走りを披露して、2日目の2予も自力で捲り快勝。3日目は松浦マークから早めに踏んで、松浦が4着。決勝でも自力戦となった。「準決はミス。お客さんに『松浦おらんで大丈夫か』と言われ、やってやろうという気持ちになった」。決勝レースは中団中団に動いて3番手キープから快捲り。「2日目から自分の中で自転車に乗れだした。もやもやがなくなっている」。トップ級とも互角以上に戦える感触を得た。
次は今年最後のG1、小倉の競輪祭。グランプリ争いの最終戦。賞金での出場は「他力になっちゃうんで、出られるか出られないかは分からないが、松浦さんと一緒に出たい」。松浦がいなくても5連覇という驚異的な記録に到達できた。今の清水なら他力でなく、自力勝負で2度目のG1タイトルを狙える位置にいるはずだ。 (野口雅洋)
【決勝戦VTR】
郡司-佐藤-永沢、清水-桑原-園田、吉田-神山、東口で周回。青板BSで吉田が誘導を切りに上がったが、清水が先に切って、吉田は赤板で前に出て抑えた。栃茨、西日本、東口、東日本の並びで打鐘。吉田の先行で7番手の郡司の仕掛けは終HS。踏み上げ始めた直後に、けん制した園田と郡司が接触し、東日本3車と園田は落車。清水は2角手前から3番手捲りで吉田-神山を乗り越え、3半からは清水-桑原、東口で大勢が決した。