競輪

【平塚競輪(ナイター)GⅠオールスター】佐藤水菜の1強時代! 圧巻の逃げ切りで女子オールスター完全V

 初めて行われた3日制の「女子オールスター」は15日、平塚競輪の最終12Rで決勝を行い、佐藤水菜(25)=神奈川・114期=が逃げ切って完全優勝を遂げた。数々のタイトルを手にしてきた佐藤だが、地元のビッグレースでは初優勝。佐藤とともにパリ五輪のトラック競技に出場した太田りゆが、佐藤のカマシに飛び付いて2着。佐藤マークから離れた日野未来が、太田後位に入って3着に流れ込んだ。

表彰式を終えてカートに乗り、ガッツポーズで引き揚げる佐藤水菜

■ヒロイン
 佐藤の1強時代を印象づける大会となった。連日、捲りで快勝していたが、「1周半から1周の間で駆けるつもりでいた」と、長い距離を駆けて勝つ算段だった。その通り、ホーム線を先頭で通過し、そのまま危なげなく逃げ切った。上がりタイムは11秒8。2日目の11秒4に続く、圧巻の時計でバンクを駆け抜けた。

 五輪ではメダルという結果が残せなかった。だがスプリント予選の200メートルタイムで日本記録を更新。「一瞬だけど、五輪記録も出せた」。すぐに他国の選手に抜かれたとはいえ手応えを感じた面もあった。

 メダルの期待に応えられなくても、地元バンクではファンの声援が待っていた。「お帰りと言われて、泣きそうでした」。ガールズケイリンを走る魅力をひしひしと感じていた。今後、競技をどこまで続けるのかは、「未定です。ゆっくり考えたい」。2028年のロス五輪を目指すとしても、ガールズケイリンの選手であるのは間違いない。当然、今年の大目標はGP連覇になるはずだ。だがまだその出場権を手に入れていない。出場のためには、11月の小倉競輪祭女子王座戦は負けられない。今のところ、そこでも圧倒的な走りで優勝を飾る未来しか見えない。

■決勝戦VTR
 石井がSで出て、久米、児玉、佐藤、日野、坂口。太田は佐藤の位置で並走したがいったん後方に下げ、再び上昇し石井後位に入った。坂口も太田に続いたが久米が3番手を譲らず。打鐘まで石井、太田、久米、児玉、佐藤、日野、坂口で周回。坂口が鐘過ぎで仕掛けると、それに佐藤、日野も続いた。佐藤は終HSでスパートをかけて後続を引き離し、そのまま押し切り勝ち。太田は坂口との踏み合いを制し、外の日野にも踏み勝って佐藤を追ったが2着まで。日野が3着。児玉は終始後方で仕掛けられず5着に終わった。

■プロフィル
 ◆佐藤水菜(さとう・みな)1998年12月7日生まれの25歳。神奈川県茅ケ崎市出身。茅ケ崎高卒。2018年7月、神奈川支部114期でデビュー(四日市1、1、決勝4着)。通算成績は279走で199勝、優勝63回。特別レース制覇はGPガールズグランプリ(23年立川)、GⅠオールガールズクラシック(23年松戸)、ガールズコレクション4回(21年5月京王閣、21年8月いわき平アルテミス、22年8月西武園ドリーム、23年3月別府)、フェスティバル(22年7月玉野)、女子オールスター(24年8月平塚)。取得賞金は8986万4600円。ホームバンクは川崎。競技でも21、22年のトラック世界選手権(ともにフランス)でケイリン銀、23年はネーションズCケイリンで2度の金(インドネシア、エジプト)、同年アジア大会のケイリンとスプリントで金など活躍。24年パリ五輪のケイリン、スプリントにも出場した。師匠は對馬太陽(85期)。163センチ、59キロ、A型。

表彰式後、敢闘門前で神奈川勢に胴上げされる佐藤水菜
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