【熊本競輪(モーニング)FⅡ】引退危機の日吉克実が初の準決進出「これが転換機になれば」
日吉克実が初めて準決に進んだ。単騎で走った初日5Rは、終3角で落車を避けると、直線で6番手から鋭く追い込んで3着に入った。「前との車間を開けすぎたが、それで落車を避けられたかも。3着はあるかもしれないと、最後は諦めずに踏んだ。勝ち上がれてよかった」と初の予選突破を喜んだ。
123期生で昨年7月にデビューしたが、2期連続で70点割れ。前期は65点と成績不振で、今期は大幅に点数を上げないと、強制引退は免れない厳しい状況だ。日吉本人もその事実は重々承知している。「練習では力は出せていますが、レースとなると…。最近は不安や緊張で眠れないこともあります」と神妙な面持ちで心境を語った。
まだまだ現役続行の望みは残されており、日吉も諦めていない。「高橋幸司さん(山形・99期)が陸上競技出身というつながりで声をかけてくれて。取手競輪場で高橋さん、土田兄弟(栄二・武志)、藤田祐大君(茨城・125期)らと練習しています。練習が楽しくなければ、引退も考えていたが、今は練習を楽しくこなしているし、手応えも感じている。今期73点を取れば引退は回避できそうなので、そこを目指して頑張っている。たとえ(現役続行が)ダメだったとしても、海外に行って競輪選手を続けたい」。
初の準決は7R6番車で登場する。「準決すら上がれずに引退になるかもと感じていたので…。これが転換期になれば」。先ほどまで少しウルウルしていた日吉の目は、すでに闘志の炎で燃えていた。この勢いで初の決勝へ駆け上がる。▼7Rは日吉が単騎で巧みに立ち回って、決勝進出を決める。4=6―137。
▼3R(松本昌士) 前受けができれば、押さえにきた荘田竜斗のハコで粘るはず。カントがきつく、競りは内が有利。位置を奪取して、直線で荘田を差し切る。1―3=275。
