競輪

【宇都宮競輪・GⅡ共同通信社杯】眞杉匠がGⅡ連覇、猛然と内を突進して地元ファンに勇姿披露

優勝カップを手にする眞杉匠

 宇都宮競輪(栃木県)の4日制GⅡ「大阪・関西万博協賛 第40回共同通信社杯競輪」は16日、最終11Rで決勝を行い、地元の眞杉匠(25)=栃木・113期・SS=が直線で外を伸びて差し切り、優勝賞金2890万円を手にした。2着は2角4番手捲りの北津留翼を追った古性優作。眞杉にやや離れながらマークし続けた恩田淳平が3着だった。眞杉は7月のサマーナイトフェスティバル(松戸)に続く2度目のGⅡ制覇。宇都宮のビッグレースで地元勢が優勝したのは、2002年10月に第15回大会を制した神山雄一郎以来。賞金ランクも6位に上げて、年末の静岡GP出場へと大きく近づいた。4日間の総売上額は79億6876万7600円で、目標の72億円を大きく上回った。

 ■ヒーロー
 宇都宮のメインスタンドが湧いた。眞杉がハンドル投げでゴール直前に古性を逆転。「神山の次はおまえだぞ!」と叫ぶファンに、ガッツポーズで応えた。

 レースは主導権取りを狙う九州勢を南関勢が叩き、近畿勢はその両者の様子を見ながら巧みに追いかける展開。終BSで8番手に置かれた眞杉は「前がどうなっているのか分からなかった。でももう行かないと届かない」とペダルを踏み込んだ。その進路は「外は無理だと思って内に行った」と、別線の車群へ自ら突っ込んでいった。「行けるところまで行こうと踏んだ。運が良かった」と見切り発車。コースが空き、3角では古性マークの南修二をさばき、先頭へと踏み上げる古性の後位に入った。「古性さんはいい掛かりだった」。それでも「声援が力になりました」と気合の差し切り。7月のサマーナイトFに続く、GⅡ連覇を達成した。

 新年早々、練習中の落車で骨折。「今年は始まる前からけがをして、記念の準決も負けまくった。直前の練習も良くなかった」。今年の大きな目標のひとつである今大会には「不安がいっぱいだった」。だが大会中に自転車を修正し、準決勝では「久々にいい感触。ワクワクする」と、ようやく本来の走りが戻った。

 それでも「自分のスタイルというか、らしい走りができていない。けがをして、できることからやろうと思っていたら、こうなった」と、逃げの決まり手が6本の現状には納得していない。昨年はGⅠを二つ手にしたが、「今年はまだGⅠを取っていない」と、自分らしさを取り戻しながら10月親王牌、11月競輪祭で3冠目を目指す。偉大過ぎる先輩・神山雄一郎の16冠に、一歩一歩近づくために。(野口雅洋)

 【決勝VTR】眞杉がSで出て、眞杉―恩田、古性―南、郡司―深谷、山崎―北津留―荒井で周回。打鐘で九州3車が上昇したが、古性は先に切って鐘3半では九州3番手の内で粘って北津留後位を確保。同時に郡司が山崎を叩くためにスパート。終2角で南関2車が出切ると山崎は力尽き、北津留が2角捲り。北津留は3角で先頭。その後位の古性の後ろは、BSで南の内を進出していた眞杉が取り切っており、古性が捲り追い込みで北津留をG前逆転すると同時に眞杉が古性を差す。古性2着、眞杉にやや離れながらも追いかけ続けた恩田が外を踏んで3着。北津留は4着。

 ◆眞杉匠(ますぎ・たくみ)1999年2月1日生まれ。宇都宮市出身の25歳。私立作新学院高卒。113期として日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入り、2018年7月函館でデビュー(①①❸)。ホームバンクは宇都宮。師匠は高校の先輩の小田倉勇二(埼玉・91期)。23年8月の西武園GⅠオールスターで初タイトル、同年11月の小倉競輪祭もV。同年GPに初出場し3着。GⅢは4V(22年3月名古屋記念、同7月小松島記念、23年5月宇都宮記念、24年4月西武園記念)。通算成績は532戦208勝、優勝28回。通算獲得賞金は3億8122万2474円。175.6センチ、76キロ、A型。

ゴール直後、満員のメインスタンドに向けて右手の拳を突き上げるる1番車の眞杉匠

 

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