【弥彦競輪・GⅠ寬仁親王牌】井上昌己と伊藤颯馬が開幕レースでワンツー
【九州王国再興へ】
初日1Rに伊藤颯馬―井上昌己―原井博斗の九州トリオが登場した。伊藤は見事にカマシを決めて主導権を取り、井上が差し切ってのワンツー決着となった。
井上は通算490勝目を挙げて「全て伊藤君のおかげですよ」と、沖縄のスピードスターに感謝しきり。「前回の後、ぎっくり腰をやってしまった。それで練習は軽めにしかしていない」と不安の残る弥彦入りだった。「でも余裕があった。車間を切って、後位に入った福永君が来るのをぎりぎりまで待った」と伊藤を2着に残す好プレーだった。
井上の弥彦での親王牌と言えば、2013、14年に決勝進出。14年は確定板にも載っており、相性のいいバンク。だが、「ひと昔前のことです。もう脚質も変わったし、リセットして考えます」と浮かれた様子はない。だが最後にGⅠ決勝に乗ったのも2年前の親王牌(前橋)。相性の良さは続いているはずだ。4着までが準決に進める2予Aの10Rで、伊藤―荒井崇博の3番手から準決を目指す。
伊藤は「前々回の小松島で体調を崩した。今回はあまり練習ができていない」とこちらも不安そうに前検日で話していた。それがウソのような好機カマシを決めて、「直線が長くてきつかった。福永君に差されたかと思った」と3着を覚悟していた。それでも2着と聞いて、「2予Aなのは大きい」と表情を明るくした。しかもレースの状況を聞いて、「3番手に福永君が入っていたんですね。それで抜かれていないなら、かなりいいかも」と声のトーンを上げた。
今回の九州勢は出場13人と多くない。勝ち上がりも2予Aが3人、同Bが2人だけ。貴重な先行型の伊藤が準決に進めるかどうかが、決勝に九州勢が進めるかどうかのカギを握りそうだ。