【四日市競輪(ナイター)GⅢ開設記念】新山響平が競輪祭以来2年ぶりのV
四日市ナイター競輪の「開設73周年記念 泗水杯争奪戦」(GⅢ)は10日、12Rで決勝が行われ、新山響平(31)=青森・107期・SS=が番手捲りで勝利。優勝は2022年の競輪祭以来、約2年ぶり、記念Vは20年3月の玉野記念以来5回目となった。2着は中団の4番手確保からまくり上げた寺崎浩平、3着は新山後位の佐藤慎太郎だった。また、3Rで行われた「競輪ルーキーシリーズ2024プラス」は山崎歩夢(19)=福島・125期・A3=が3番手捲りで制した。
■ヒーロー
後輩がお膳立てしてくれた絶好の展開を落とすわけにはいかなかった。打鐘前から先行してくれた中野を追走し、捲ってきた寺崎に合わせて最終3角で番手捲り。突っ張り先行を主戦法とする男が無風で回ってきたのだから相手が絶好調の寺崎だろうと直線で踏み負けるはずがなかった。「僕のSが遅くて前を取れず迷惑をかけたが、中野君が落ち着いて駆けてくれて助かりました。寺崎君のスピードがいいので出るしかなかった。ラインに感謝です」と素直に喜んだ。
優勝が遠かった。2年前の競輪祭優勝以降はSSとして戦い続けてきたが、赤パンツを履いているのに優勝なし。先行基本のレース内容こそトップ選手としてふさわしいものだったが、決勝で勝ち切れないのが、もどかしかった。「優勝できなくて恥ずかしかった。これを取りこぼすと次はないと思っていた。2年ぶりでほっとしている」。これまで自分が先行することで仲間の勝利に数多く貢献してきたのだから、番手戦での優勝でも誇っていいはずだ。
表彰式では「みんな待ってたよ」と祝福の声。いつも風を切り、誰よりも汗をかいてきてきたのだから応援するファンは多い。次は今年最後のGⅠ競輪祭(小倉・19日~)。「また中野君も出場する。彼に恩返しできるように頑張る」。この優勝で賞金ランキングは7位に浮上。GPへの最後の勝負は仲間とともに全力を尽くす。