競輪

【小倉競輪(ナイター)GⅠ競輪祭】これが世界女王の強さ/佐藤水菜がGP切符ゲット

優勝した佐藤水菜(左)は、パリ五輪柔道金メダリストの角田夏実(右)と相合い傘で写真に納まる

■ヒロイン

 これが世界選手権金メダリストのパワー、スピード、勝負強さ。優勝でしか手に入らないグランプリ行きの切符を佐藤水菜が手に入れた。「満身創痍(そうい)の中、しっかり力を出し切れて優勝できてうれしい」。世界を相手に戦い続けた中での体のきつさを笑顔で全て打ち消した。

 後方でレースを進め、終HSでは6番手。逃げたのはナショナルチームの同僚だった太田りゆ。中団3番手には同じくナショナルチームだった梅川風子で、梅川が先に捲ったところをさらに捲る展開。

 「強い梅川選手を乗り越えられればと思っていたので、乗り越えた後は『よし、あとはグランプリ(今大会の優勝)まで』と思って踏みました」

 並の選手ならいっぱいになりそうなところもグイグイと加速。「外々を踏むのは得意なので持ち味が出せたかな」。ドームに大歓声がこだまする中、真っ先にゴールを駆け抜けた。

先頭でゴールする1番車の佐藤水菜

 会見では繰り返し、周囲への感謝を述べた。「ファンの皆さんの声援が大きくて頑張れた。この1カ月は競技を離れて、ナショナルチームのスタッフの支えのありがたさも実感しました」。その気持ちも大いにあふれる最高の結末だった。

 ただ、インタビュアーからの「これで恩返しができましたかね」の問いかけはきっぱりと否定。「これではまだ恩返しになっていません。グランプリを取って、感謝の気持ちと強さを見せたい」。本当の喜びは1カ月後、グランプリ連覇を果たしてこそだ。(深堀慎一郎)

■プロフィル
 ◆佐藤水菜(さとう・みな)1998年12月7日生まれ。神奈川県茅ケ崎市出身。茅ケ崎高卒業。2018年7月、神奈川支部114期でデビュー(四日市1、1、決勝4着)。通算成績は288走で208勝、優勝66回。特別レース制覇はGPガールズグランプリ(23年12月立川)、GⅠオールガールズクラシック(23年10月松戸)、ガールズコレクション4回(21年5月京王閣、21年8月いわき平アルテミス、22年8月西武園ドリーム、23年3月別府)、フェスティバル(22年7月玉野)、女子オールスター(24年8月平塚)、競輪祭女子王座戦(24年11月)。取得賞金は9745万5600円。ホームバンクは川崎。競技でも世界の舞台で活躍し、金メダルは23年ネーションズCケイリンで2度(インドネシア、エジプト)、同年アジア大会のケイリンとスプリント、24年ネーションズCスプリント、同年世界選手権ケイリンなど。同年のパリ五輪のケイリンとスプリントにも出場した。師匠は對馬太陽(85期)。163センチ、59キロ、A型。

賞金ボードを掲げる佐藤水菜
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