競輪

124期デビュー直前 九州勢の女子5人を紹介 ルーキーシリーズ第1戦、宇都宮で30日開幕

 日本競輪選手養成所を3月に卒業した123期(男子)、124期(女子)同士で争われる「ルーキーシリーズ2023」が、宇都宮(4月30日~5月2日)で第1節を迎える。全4節。ここではデビューを目前にした九州勢の女子全5人を紹介する。(九州勢男子17人は別ページで紹介中)

 ◆ルーキーS日程 新人だけで戦う「ルーキーシリーズ2023」は4月30日~5月2日の宇都宮ナイターを皮切りに、4節が行われる。すべて123期の5個レースと124期の2個レースに加え、A級1、2班戦5個レースが組み合わされるF2開催。宇都宮以外の日程は以下の通り。5月5~7日=四日市ナイター、同26~28日=松戸ナイター、6月1~3日=福井

枝光美奈(25)福岡 トライアスロンで活躍

 枝光美奈(えだみつ・みな)は、小1からトライアスロンを始めて山梨学院大でも続けた。「大学を出たら就職しようとも思ったが、まだ選手としてスポーツをやっていきたいとも感じていた。そんなときにトライアスロンの練習の一環で山梨の境川バンクに行き、そこで競輪選手の走りを見てかっこいいと思いました」。ガールズ選手へと目標を定めて、3回目で養成所に合格した。
 入所後は「脚だけでなく、上半身と下半身が連動して自転車は進むと学んだ」。ガールズでの目標は「ホームバンクで優勝する」。地元の強豪が出場する久留米でのVは簡単ではない。それでも、中学時代に女子水球で全国制覇した勝負強さで、きっと成し遂げる。

①1998年2月8日、25歳②福岡県大川市③大川樟風高④久留米⑤稲吉悠大・92期⑥11位⑦13秒04、27秒13、40秒55⑧158・62・A⑨宇都宮

枝光美奈

 

金田舞夏(20)福岡 碧衣とガールズGPへ

 神奈川県出身の金田舞夏(かねだ・まいか)は、4歳から自転車の大会に出場と、ほぼ生まれながらの自転車選手。陸上競技やソフトボールも経験したが、父の転勤もあって久留米の祐誠高に進み、自転車競技に打ち込んだ。高校時代はケイリン、スプリント、500メートルTTと短距離種目で全国大会V。「プロとしてより多くの人に自転車の魅力を伝えたい」とガールズ選手を目指した。
 児玉碧衣(108期)が憧れの存在。「一緒に練習するとアドバイスしてくださる。強いだけじゃなく、礼儀正しく優しい先輩です」。目標は「地元の強いガールズの先輩たちのようにGPに出られる選手になりたい」。児玉のライバルになれるよう、鍛練を積む。

①2002年8月19日、20歳②神奈川県茅ケ崎市③祐誠高④久留米⑤藤田剣次・85期⑥5位⑦12秒64、25秒92、39秒03⑧163・54・A⑨四日市

金田舞夏

 

羽田野愛花(21)大分 大けが克服し待望舞台

 羽田野愛花(はたの・あいか)は、別府商高(現別府翔青高)などで自転車競技を指導してきた昭人さんを父に持つ。小、中ではバスケットボール部だったが、父の影響で自転車を始め、ガールズケイリンを目指した。2回目の受験で122期に合格。しかし入所直前に、左手首粉砕骨折などの大けがを負った。
 そこからは治療、リハビリの日々。「復帰できないかもと言われた。左手に力が入らず、握力はゼロ。お手玉を握る練習から始めました」。リハビリが実り、124期の卒記では優出。「入所当初は周回でちぎれていたが、成長できた」と振り返る。「お客さまに愛されながら、ビッグレースに出場したい」。試練を乗り越えた走りに注目だ。

①2002年1月18日、21歳②大分県別府市③別府翔青高④別府⑤安東宏高・90期⑥7位⑦12秒69、25秒82、39秒50⑧169・68・A⑨四日市

羽田野愛花

 

高本美穂(20)熊本 養成所の訓練で急成長

 高本美穂(たかもと・みほ)は、ハンドボールの選手だった。「進路を考えたときに、賞金を得ながらスポーツを続けられることに魅力を感じた」。サテライトのイベントに来た児玉碧衣に、ガールズ選手になる方法を質問。松尾正人が師匠となり、高校卒業と同時に自転車に乗り始めた。
 卒業した年に受けた試験で合格。養成所の生活は「毎日が必死でした。周回でちぎれていたし、第1回記録会の2000メートルも下から2番目。でも第2回では上から6番目になった」と大きく成長した。「ビッグレースに出場できる選手になりたい。熊本を盛り上げられる選手になるよう努力します」。来年にも再開される熊本競輪場のニューヒロインを目指す。

①2002年10月17日、20歳②熊本市③東稜高④熊本⑤松尾正人・66期⑥10位⑦13秒01、25秒95、39秒24⑧168・71・B⑨四日市

高本美穂

 

谷元音羽(19)鹿児島 成長を続けて卒記準V

 谷元音羽(たにもと・おとは)は、3学年上の兄に谷元奎心を持つ。「小学生のとき、両親に小倉競輪場へ連れて行ってもらい、かっこいいと興味を持ちました」。高校は兄が通った南大隅高ではなく、自転車競技部のない鹿屋女子に進学。周囲の応援はあったが、孤独な練習も多かった。それでも全国大会で好成績を残すなど、力をつけた。
 入所後は「ずっと自己流だったので、全体的にいろんな知識がつきました」と指導に感謝。養成所順位は7位だが、卒業記念レースでは準優勝と成長を証明した。「どんなところからでも勝ちにいける選手になりたい。たくさんの人から応援される選手になりたい」。最後まで諦めない走りで、ファンを魅了する。

①2004年3月5日、19歳②鹿児島県曽於市③鹿屋女子高④―⑤大久保聡・86期=引退⑥6位⑦12秒69、26秒12、38秒69⑧170・61・A⑨四日市

谷元音羽

 

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