【久留米競輪(ナイター)FⅠ】福島の渡部幸訓が3.11に決勝進出「気持ち的に入るものがあった」
【記者コラム・造田大の大勝負】
渡部幸訓(41)=福島・89期・S1=が走れる喜びをかみしめて決勝に挑む。2日目のこの日は東日本大震災からちょうど14年。「あれから14年ですか。あっという間です」
渡部も被災者の一人。「(震災)直後は神奈川や埼玉など、いろいろと拠点を変えましたね。半年ぐらいして宮城に落ち着きました」。震災が起こった午後2時46分に、久留米競輪場でも黙とうのアナウンスが流れた。「僕も黙とうしました。今もこういう場にいられること、仕事させてもらえていることに感謝ですね」。しみじみと言葉を選びながら自身の思いの丈を語った。
この日は準決10Rに登場して2着。勝利はできなかったが、勝ち上がりはできた。「意識しないようにしたけど、気持ち的に入るものがありました」。マークした小松崎大地が不発に終わったが、シビアに切り替えて、狭いスペースを割って伸びた走りが気合を入れて臨んだ証拠だろう。決勝も気迫たっぷりのレースを見せて、1日遅れで故郷にVをささげる。
▼12R(渡部幸訓) 単騎戦となるが、逆に言えば3番手は選び放題。特に付ける可能性がありそうなのは、同期の橋本強の後ろか。東矢が果敢に先行すれば、アタマ抜け出しは十分ある。4-3=125。
▼7R(猪狩祐樹) 渡部と同じく福島出身。車番が良くて、中団が取れそう。捲りが決まるか。7-15-1345。
