競輪

【伊東競輪・GⅡウィナーズカップ】山田英明がGⅡ決勝1着入線での失格を雪辱へ 山口敦也は初ビッグ

 

伊東競輪場にはほろ苦い思い出のある山田英明
自らの復調を実感している山田庸平

 九州勢16人が、伊東バンクに集結した。ここは2020年9月、中本匠栄がGⅡ共同通信社杯を制したバンクだ。そこから4年半、九州勢はGⅡ以上での優勝がない(女子GⅠを除く)。

 今回は中本が不在。だが、その時のキーマンが復調してきた。

 その決勝では山崎賢人-山田英明-中本匠栄-園田匠で連係。山崎が先行し、山田がBS番手捲りで抜け出して先頭でゴールを駆け抜けた。だが捲ってきた新田祐大を山田が押し上げ、その影響で新田後位にいた吉澤純平が落車したとして、山田は失格となった。

 GP出走権を賞金で争っていた山田にとっては、競輪人生で最もショッキングな判定となった。もし失格でなかったら、今でもSSに君臨していた可能性はある。

 今回も「いい思い出があるバンクです」と自嘲気味に笑った。だが「もう終わったことです」と悔しさはない。それより楽しみの方が大きそうだ。

 「名古屋記念は自転車の進みが自分の中では良かった。4年前くらいの調子が良かった自転車で戦っている」。まさに、GP出場権争いの前後で乗っていたフレーム。「それが好調の要因です」と気合の表情を見せた。

 現在397勝。最終日に今節3勝目を挙げれば区切りの勝利。それが〝忘れ物〟を取り戻す1勝だったなら、これ以上のストーリーはない。

 弟の山田庸平もはっきりと調子を上げてきた。「ハンドル周りのセッティングを戻した。昔みたいにタイムが出始めた」と表情は明るい。「なかなかタイムが出なかったのは、『老い』だと思っていた。でも戦える手応えがあった」。前回の玉野記念での準Vは、庸平らしい直線強襲。今大会だけでなく、今年は兄弟が九州をけん引してくれる雰囲気が漂う。

 同じ佐賀の山口敦也はビッグ初出場。昨年8月の小田原FⅠを優勝して出場権を勝ち取った。「やっと出られたって感じですね」とデビュー7年目での初舞台に笑顔。今回の九州勢では、はっきりとした追い込み型は小川勇介と2人だけ。貴重な存在だ。

 「年末はインフルエンザになって、1月はあっせん停止」と今年はまだFⅠを2節走っただけだ。だがいずれも決勝に進出しており、「復帰して2場所走ったが感触は悪くない。練習の感じも変わらず。何とか頑張りたいですね。来月は地元記念もあるので」。

 特選組の青柳靖起も含めて、4人を送り込んだ佐賀勢が、伊東バンクを4年半前のように快走する。

初めてビッグレースの舞台に立つ山口敦也

 

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