競輪

【伊東競輪・GⅡウィナーズカップ】古性優作がGⅡ初V 芸術的ブロック自画自賛「すごかったでしょ」

 伊東競輪のGⅡ「大阪・関西万博協賛 第9回ウィナーズカップ」(優勝賞金2890万円)は23日、最終12Rで決勝を行い、近畿3車の番手から直線で抜け出した古性優作(34)=大阪・100期・SS=がGⅡ初制覇を果たした。2着は単騎捲りを古性に3角手前でブロックされながらも最後まで踏み続けた眞杉匠。3着は赤板から先行して4角を先頭で回った新山響平だった。この日の9Rで行われた単発の第7回ガールズフレッシュクイーン「リンカイカップ」(同48万1000円)は、熊谷芽緯が逃げ切って制した。4日間の総売上額は83億7314万6000円(目標75億円)と盛況だった。

ウィナーズカップ決勝のゴール。1着が古性優作(1、白)、2着は眞杉匠(7、オレンジ)、3着は新山響平(3、赤)

■ヒーロー

 白いユニホームの胸に刻まれた「KING of KEIRIN」の文字は、偽りではない。古性が眞杉の捲りを一発で止めて、GⅡを初制覇した。タテ脚だけでなく、ヨコの動きも抜群。自力でも番手回りでもファンの期待を裏切らない、KINGにふさわしい走りを見せた。

 激しいレースだった。寺崎浩平は前攻めから新山響平-浅井康太を出して3番手をキープ。打鐘前に郡司浩平が迫ると合わせて出て南関勢をシャットアウトした。だが寺崎は新山を捲れないまま終BS。そこにものすごいスピードで飛んできたのが眞杉匠だった。寺崎マークの古性とはあまりの速度差で、誰もが捲りが決まると思った瞬間だった。古性が眞杉の頭と左肩にブロックをお見舞い。魔法のように勢いをピタリと止めてみせた。

 表彰式前のインタビューでは、「しっかりブロックしたいなと思った。すごかったでしょ」とおどけてスタンドからの笑いと拍手を誘った。その後、報道陣にも、「まあまあだったでしょ」と自画自賛。表彰式に出席した神山雄一郎氏にも「『バックのブロック良かったね』と言われました」と明かした。

 「今回は寺崎のレベルアップを感じた大会。向上心がすごくある。わざわざ大阪まで何かを盗みに来ようとする熱がある」と、岸和田での直前合宿でともに汗を流した後輩を持ち上げた。古性もアドバイスを惜しまない。KINGのもとに精鋭が集って向上し合うのが今の近畿地区。昨年9月の寛仁親王牌以降、ヤンググランプリを除く男子のビッグレースを他地区に手渡していない。まさに王国が構築されようとしている。(野口雅洋)

表彰式に登場した神山雄一郎氏(右)に肩を抱かれて笑顔の古性優作

 ◆古性優作(こしょう・ゆうさく)1991年2月22日生まれの34歳。大阪市出身。清風高卒。2011年7月、大阪支部100期でデビュー(岸和田=1、1、決勝1着)。通算成績は1113戦356勝、優勝48回。ビッグレース制覇は、GP2回(21、24年)。GⅠ8回(オールスター=21、24年、全日本選抜=22、23年、高松宮記念杯=22、23年、寛仁親王牌=23、24年)。GⅡ1回(ウィナーズカップ=25年)。21、23、24年の最優秀選手。24年はオールスターファン投票で初の1位。通算獲得賞金13億3185万370円。168センチ、77キロ、O型。

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