【名古屋競輪・GⅠ日本選手権】「S要員」の阿部力也がGⅠ初決勝　岸和田での同期との練習が実った

　阿部力也（37）＝宮城・100期・S1＝が、初のGⅠ決勝を走る。準決9Rで2着。3連単24万円超の波乱を演出した。

　新山響平ラインの3番手。「基本的にはS要員でした」と自虐的に笑ったが、その最初の仕事を6番車ながらこなして新山の前攻めが実現した。

　終2角では太田海也の後位にはまった新山が番手捲り。「新山君が仕掛けてくれたし、成田さんが前にいれば何とかなるという全幅の信頼がありました」とラインに感謝。「最後は必死で前に踏んだ」と直線で伸びてV賞金9400万円への挑戦権を手にした。

　昨年12月から冬季移動で岸和田を拠点にしている。同期の古性優作らと練習を積む中で、「周りから『レベルアップしている』と言われていたけど、まさかGⅠの決勝に乗れるとは」。驚きの中にも、自信が芽生えているようだ。

　100期の卒記チャンピオンだが、グレードレースVは2019年9月の京都向日町記念だけ。「足も体調も良くて、いいテンポで来ている」という現状なら、2年前の山口拳矢以来となるGⅠ初決勝でのダービーVもあり得る。