新山GⅠ初タイトル 競輪祭 【小倉】

小倉競輪で6日間にわたってナイターで争われたG1「第64回競輪祭」(優勝賞金4147万円)は最終日の27日、12Rで決勝戦があり、北日本4車の番手でレースを進めた新山響平(29)=青森・107期・S1=が優勝した。新山は先行した新田祐大の後位で坂井洋と並走になったが、終2角手前からスパートしてG1初制覇。初のグランプリ(GP)切符も手にした。2着は捲って追った郡司浩平、3着は郡司マークの小原太樹だった。6日間の総売上額は122億7417万9200円だった(目標額130億円)。
■ヒーロー
北日本作戦、大成功-。G1優出5度目の新山が、ラインの絆に助けられて初タイトルを手にした。「前で(新田に)行ってもらい、2人(守沢、成田)に後ろを固めてもらって優勝できました」。先輩3人に“わっしょい”されてのVに最敬礼で応えた。
決戦前夜。実績でいえば新山がラインをけん引する立場だったが、ライン4人の話し合いで「優勝したい」という気持ちを伝えると、元NT(ナショナルチーム)の先輩・新田が先頭を買って出た。グランドスラマーの番手を回る以上は「しっかり勝たなければいけない」。自分にかけたプレッシャーをはねのけ、G1初タイトルを手にした。
「ラインに感謝しています。本当に頭が上がらないですね」。S取りから作戦まで全てを新田に頼りっきりで、3、4番手のガード役も守沢と成田に任せた。「後ろ攻めになった場合の作戦も、おんぶに抱っこでした」。昨年は逃げ切り寸前のところで、吉田拓矢にVをさらわれただけに喜びもひとしおだ。「ずっとあのこと(準優勝)が引っかかっていた。今年はアイツが落車して対決できなかったけど、いない分も頑張ろうと思っていた」。昨年の無念を晴らし、先を越されていた同期の良きライバルへ追い付いた。
タイトルホルダーの仲間入りしたと同時に、年末のGP出場も決まった。「いま何がしたい? GPに向けて、しっかりと練習を積みたい。ラインにお世話になりっぱなしなので、GPは北日本の中から優勝者が出るように恩返しをしたいですね」。勝利の余韻はそこそこに、すぐさま伊豆でトレーニングを再開する。(森川和也)