競輪

【前橋競輪・GⅠ寬仁親王牌】嘉永泰斗がGⅠ初優勝 九州勢では6年4カ月ぶり

表彰式の3人。左から松本貴治(2着)、嘉永泰斗(1着)、古性優作(3着)

 前橋競輪で4日間にわたり戦われたGⅠ「第34回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」は26日、最終12Rで決勝を行い、初めてGⅠ決勝を走った嘉永泰斗(27)=熊本・113期・S1=が3番手単騎2角捲りで優勝した。

 九州勢のGⅠ制覇は、2019年6月の中川誠一郎(熊本)以来、6年4カ月ぶり。

 2着は後方からコースを縫った松本貴治、3着は単騎で嘉永後位にいた古性優作。

 嘉永は優勝賞金4390万円と、12月30日のKEIRINグランプリ2025の出場権を手にした。

 4日間の総売上額は94億3415万800円で目標の90億円を上回った。

◆第34回寬仁親王牌 決勝成績(最終日12R)

■ヒーロー

 デビューから7年3カ月。嘉永が大仕事を成し遂げた。九州勢が6年以上も手にできなかったタイトルを、GⅠ決勝を初めて走った若武者が一気に手にした。

 レースは先行した吉田拓矢-恩田淳平の関東2車の後位で残り1周を切った。嘉永の後ろは王者・古性優作だったが、「後ろを見る余裕がなくて、前の吉田さんたちしか見ていなかった。この舞台であんな絶好の位置を回れることはなかなかない。チャンスをものにできて良かった」と、GⅠを〝一発ツモ〟の捲りを放った。

 まだ若い伸び盛りだが、「長かったですね」とここまでの道のりを振り返った。デビュー後はヘルニアの手術や先頭員早期追い抜きで出世は遅れた。同期の眞杉匠や松井宏佑がグレードレースで華々しく活躍する中、A級暮らしが2年以上続いた。

 8年ぶりに本場開催を再開した昨年7月の熊本競輪FⅠでV。熊本の新エースとして、支部を、そして九州をけん引する存在になっている。それでも、「誠一郎さんはGⅠを三つ取っています。少しだけ近づけました。まだまだですけど」と、一つのタイトルでは満足していない。

 来年2月には、熊本で14年ぶりのGⅠが開催される。今年のグランプリを経て、S級S班として地元バンクに立つ。「責任ある位置だと思う」と競輪界のトップナインとしての自覚もすでに芽生えつつある。

 苦しかったA級時代や、近年の落車禍による不調を乗り越えての栄冠。嘉永は間違いなく、低迷が続いていた九州地区の突破口になる。(野口雅洋)

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寬仁親王牌でGⅠ初優勝を遂げ表彰される嘉永泰斗

 

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