【九州王国再興へ】賢人原点回帰の激走だ 【前橋】
山崎賢人が、世界を相手にした豪脚を披露する。フランスのサンカンタンアンイブリーヌで行われた世界選手権に出場。前検日の前日夕方に帰国し、慌ただしく前橋へと転戦。だが「時差は特に気にならない。むしろ移動だけだったので練習疲れがなく、体は軽いですよ」と元気十分だ。
世界選はスプリントで1回戦敗退、ケイリンでは準々決勝で敗退した。「反省点が多いですね。特にケイリン。勝てたかどうかは分からないが、仕掛けずに終わってしまった」と悔しそう。「世界のトップ中のトップとはやはり差がある。特にラブレイセンは抜けている」。スプリントとケイリンを制して世界選手権11冠としたオランダのスピードスターに舌を巻いた。「ただ、自分もワンチャンスあるよというところまでいかないと、やっている意味がない」。さらなるパワーアップに意欲を燃やした。
ここ前橋は3年前に誘導早期追い抜きで失格。そのあっせん停止中にナショナルチーム入りを決断。今の山崎の“原点”でもある。「ここに来ると初心に戻る感じですね」と気が引き締まる。昨年秋の欧州遠征では、水質が硬水のためアフロヘアが傷んでしぼんでしまったが、「今回はヘアミルクをたっぷり塗ってケアしたので大丈夫でした」とトレードマークは健在。3年間の努力の成果を、高速バンクで発揮する。
賞金ランク9位の山田庸平は、グランプリ出場へ正念場となる。先月の名古屋G2で落車。「やりたい練習はあまりできていない」と不安は残るが、「やれることはやってきた」とも。2年前にはここ前橋で初めてG1決勝に乗った。昨年の弥彦開催でも優出。相性のいい大会で、GP出場を決める激走に期待だ。