競輪

【西武園(ナイター)G1オールスター】眞杉匠がG1初優勝

 西武園競輪のナイターGⅠ「第66回オールスター競輪」は20日、最終日を迎え、11Rで決勝戦が行われた。関東4車連係の番手戦で1番人気に支持された眞杉匠(24)=栃木=が番手まくりでGⅠ初優勝。優勝賞金5900万円(副賞含む)を獲得するとともに、12月30日に立川競輪で開催されるKEIRINグランプリ2023の出場権も手に入れた。2着は関東勢追走から差した古性優作、3着は関東4番手の武藤龍生だった。なお、関東の先頭で先行した吉田拓矢は暴走失格(先頭から5秒以上離れて決勝線に到達)となった。6日間の総売り上げは132億1360万9100円で、昨年の128億円を上回り、目標の130億円もクリアした。

オールスター競輪を制し、アンバサダーの魔裟斗(右)と写真に納まる眞杉

盤石の関東4車結束「ラインに感謝」

 ついにつかんだ。これまでは2度のGⅠ決勝進出があったものの、とても遠くにあったビッグタイトル。真杉は周囲のお膳立てに応える形で頂点に立った。「本当にラインに感謝です。正直に言って、体は仕上がっているとは言えず、連日ラインのおかげでしたので」。レース後に耳にしたのは先頭を走った吉田の暴走失格。自分のために大きな代償を払ってくれたとあって、少し喜びは控えめとなった。

 関東4車で結束。しかもVポジションともいえる番手だった。さらには先頭を志願したのは年上であり元SSの吉田。真杉にとっては絶対に負けられない決勝だった。その吉田は前受けからの捨て身の先行。真杉はまくり上げて来た清水に合わせて最終1角過ぎに出る。その後はゴールまで一目散。敵の反撃を許すことなく押し切った。

 「(吉田)拓矢さんが全てやってくれた。僕は赤板では後ろを全く見なかったし、最終ホームに帰ってきてからは余裕ができた。連日、吉田兄弟(弟・有希)にはお世話になりっぱなしですね。これからは関東ラインに恩返ししないといけない」。今までの関東ラインへの貢献を認められての番手回りであり、仲間の力を借りてのこの勝利。今度は自分が先頭で戦ってラインに勝利をもたらすことを誓った。

 GⅠ覇者となったのと同時に決定したのが年末のGP出場。開催地は地元関東地区の立川。当然、今から気持ちは高まる。「少しでも多くの関東の選手が乗って頑張りたいですね。しっかり仕上げていきたい。でも、その前に次の立川記念(9月7日~)でちゃんとラインに貢献しないといけない」。関東に新たに誕生したGⅠウイナー。先行力あり、自在性もあり。このチャンピオンはきっと競輪界トップで戦い続けるはずだ。(八手亦和人)

 ◆眞杉匠(ますぎ・たくみ)1999年2月1日生まれ、栃木県宇都宮市出身の24歳。175.6センチ、76キロ、血液型はA。私立作新学院高校卒業。113期生として日本競輪学校(現養成所)に入校し、2018年7月函館でデビュー(①①❸)。ホームバンクは宇都宮。21年の日本選手権競輪(京王閣)でGⅠ初出場で初の決勝進出(8着)。22年の日本選手権(いわき平)でも決勝に進出した(9着)。3年連続出場のオールスターで悲願のGⅠ初タイトル。通算成績は445戦180勝、優勝は23回目。通算獲得賞金は2億1864万800円。


1着でゴールする眞杉(9) 

戦い終わって

2着の古性優作はこちら

 武藤龍生(3着)残り2周のホームで口が空いてしまった。平原さんを信頼して付いて行った。ラインのおかげだけれど、吉田君の失格が…。
 清水裕友(4着)初手で中団を取らなければ勝負権がないと思ったので、スタートにはこだわった。詰まった所で仕掛けてみた。あそこを逃したら勝負出来ないと思ったんで。やっぱり、自力の方がやりやすい。
 山田庸平(5着)清水君がすごかった。自分には余裕がなかった。最後は内か外だったけれど、結果的に外だったのかな。まだまだ、力不足です。
 犬伏湧也(6着)出来れば中団が欲しかった。強い関東4車だったので、なんとか脚を削りたかったんですけれど…。今度は中四国でラインを厚くして優勝者を出したい。
 平原康多(7着)真杉君に付いて行きたかったけれど悔しい。体調が万全ではないなか、決勝まで残れたので、この流れで寛仁親王牌、競輪祭に向けて状態を戻したい。
 松本貴治(8着)スタートは中団が欲しかった。バックを踏む状態で前に行かれてしまった。少し緊張もありました。
 

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