競輪

【九州王国再興へ】井上5年ぶりGⅠ決勝 【前橋】

5年4カ月ぶりにG1決勝に進んだ井上昌己
5年4カ月ぶりにG1決勝に進んだ井上昌己

 井上昌己が2017年6月の岸和田宮杯以来、5年4カ月ぶりにG1決勝を走る。「久々だとは思っていましたが、そんなになるんですね。懐かしいです」。06年びわこ大津の宮杯で初めて駒を進めて以来、その17年宮杯も含めてG1決勝に12回進んで2V。ファイナル常連とも言える輪界のトップ選手だった。だが近年は準決に進むことも珍しくなるほどに、存在感を失いつつあった。

 20年はF1優勝もゼロ。当時は「もうトシですね」という消極発言が口癖になっていた。そこで奮起を促したのが、練習仲間の荒井崇博だ。荒井もその頃はスランプの真っ最中。G1に出られない状況だったが、「昌己が年齢からくる衰えを口にするようになったけど、まだやれるということを年上の自分が見せたかった」。荒井はトレーニングを見直し、昨年秋ごろから結果に結びつけた。今年5月のいわき平ダービーでは13年以来9年ぶりのG1決勝進出。6月の宮杯でも決勝に進んだ。井上も「荒井さんがすごく刺激になった」と体づくりからやり直した。「若くて強かった頃より練習しています」。今年は既にF1優勝が2回。競走得点も上がり、今大会は特選スタート。「今回も荒井さんと一緒にやってきました。練習でも強いですよ」と2人で準備を整えた。

 準決では松浦悠士を初めてマークした。「松浦君は落ち着いていて安心感があった。自分も力むことなく彼だけ見て追走しました」。終3角、松浦がこじ開けた狭い隙間を目がけて井上も突っ込んだ。決勝切符に「頑張ってきて、ちょっとご褒美がありましたね」とニヤリ。決勝も松浦をマークする。こうなれば、狙うは08年1月の競輪祭以来となる約15年ぶりのG1制覇。大きな大きなご褒美をゲットだ。

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