競輪

新田史上4人目のグランドスラム G1寛仁親王牌 【前橋】

ウイニングランをする新田祐大=デイリースポーツ社提供
ウイニングランをする新田祐大=デイリースポーツ社提供

 前橋競輪のG1「第31回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」(優勝賞金3532万円)は最終日の23日、大トリの12Rで決勝戦を行い、新田祐大(36)=福島・90期・S1=が終3半7番手から内を抜け出して優勝した。2019年のオールスター以来となるビッグレースを制し、これで4日制以上のG1全てをコンプリート。井上茂徳、滝沢正光、神山雄一郎に続く史上4人目のグランドスラムを達成した。2着はバック9番手から大外を捲った守沢太志、3着には松浦悠士が入った。4日間の車券売上額は83億1857万9000円(目標85億)で、昨年の79億9305万円を大幅に上回った。

ヒーロー

 史上4人目、今世紀初のグランドスラマーが誕生した。表彰式のインタビューでは「優勝することができて…」と口にしたところで目頭を押さえ、一呼吸置いて、「ほんと、うれしいです!」と観客席に声を張り上げた。2018年2月の全日本選抜Vでリーチをかけたが、東京五輪を目指す上で18、19年は親王牌を欠場。20年は脇本雄太に屈し準V、昨年は2位入線で斜行失格。5年越しの思いが詰まった叫びだった。

 トラック競技選手としての集大成と位置づけて臨んだ昨年夏の東京五輪では惨敗。直後から競輪に専念したが、調子はなかなか戻らなかった。さらには今年5月、地元でのダービーの前検日練習で落車し、右肩鎖関節を脱臼。復帰した6月高松宮杯では(8)(7)(8)(4)と、以前の圧倒的、破壊的なパワーは影を潜めた。

 この決勝も内に詰まる展開。終BSからは「イチかバチか何も考えず踏み込みました」と内を強引に突き進んだ。内圏線踏み切りと内側追い抜きの審議対象となり、昨年の失格を思い出した。「また来年か…」。だが結果はセーフ。決定放送を聞いて「ボワっと鳥肌が立った」。まだまだ復調途上で、苦しい中でのV。「北日本のみんなは、自分が集中できる環境をつくってくれた」と仲間への感謝も忘れなかった。

 現在は伊豆で、ナショナルチームのジュニアのコーチも務める。「ケガをしてからは、彼らの成長が励みになった。若い人たちが憧れる競輪選手の一人であるように結果を出していきたい」。これで平塚GPの切符もゲットした。「12月に肩の手術をする予定だったが、いい意味でスケジュールを調整し直します」。グランドスラマー4人のうち、後発の親王牌を含む6大会制覇は新田と神山雄一郎だけ。さあ、12月30日は、史上初となる6大会VプラスGP制覇の偉業達成だ。(野口雅洋)

 ◆グランドスラム 競輪のG1(グレード制施行前は特別競輪)の全大会制覇のこと。井上茂徳(41期・佐賀)が1988年6月大津の高松宮杯(現高松宮記念杯)で優勝し達成。当時は寛仁親王牌(94年に特別競輪となる)がなく、特別5大会を初めて全制覇した。90年11月、滝沢正光(43期・千葉)が競輪祭Vで続いた。神山雄一郎(61期・栃木)は99年3月の日本選手権で優勝し、寛仁親王牌を含む6大会を全制覇。新田は2015年3月、京王閣の日本選手権で4日制以上のG1で初V。同9月に松戸オールスター、16年6月に名古屋での高松宮記念杯、17年11月に小倉競輪祭を制覇。18年2月、四日市での全日本選抜を優勝し、5大会Vとしていた。

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