【青森競輪・GⅡ共同通信社杯】嘉永泰斗 九州勢唯一の準決進出
2予Aの10R、嘉永泰斗が単騎戦で2着に入り準決へ進んだ。レースは中団の犬伏湧也に対し、坂井洋を先頭とする東日本3車が長くフタをする展開。残り1周を過ぎても誘導が残り、嘉永は浅井康太―南修二の後位の3番手でじっと動きを待った。
「あのままだと、坂井さんが捲ってきたときにかぶってしまうと思った。残り1周を切っていたし、準決に勝ち上がるには自分で先に外を捲った方が間違いない」。嘉永は終1角、誰よりも早くアクションを起こして単騎捲り。好ダッシュで2角でまんまと抜け出した。
ただ、4角を先頭で回りながらの2着には、「あの距離なら自信があったので1着が欲しかった。犬伏さんが強かったですね」とやや悔しそう。フタをされながらも内をすり抜けた犬伏に4角で追い付かれ、ゴール直前で追い抜かれた。
それでも、表情そのものは明るい。「サドルの角度を調整して、バッチリ。これなら準決でも戦えます」と手応え十分。「あとは九州勢が勝ち上がってくれることを願うだけ」とラインを欲したが、11Rの松岡辰泰―山田庸平は残念ながら敗退。4番車の青いユニホームを着た同県の松岡辰泰を「ドラえもん」と呼んで応援していたが、「きょうの辰泰さんは、あんまり使える道具を出せなかったみたい」。九州勢が自分だけとなり、気持ちを切り替えていた。
準決も2予Aと同様に、単騎で走る。今年は3月の別府GⅡウィナーズカップでビッグ初優出。だが力を出せずに7着に終わった。同じ舞台に立つためには、自分の力を信じてスパートを繰り出すしかない。ビッグ初勝利を挙げたのは2年前、岐阜でのこの大会。大きく成長した姿を、復興間近の熊本のファンに届ける。
