【佐世保競輪(モーニング)FⅡ】米倉剛志「自分はこれしかできない」強引逃げで3着確定板
<記者コラム・森川和也の追走一杯>
朝イチ1Rは米倉剛志が打鐘からの強引叩きで3着に粘り込んだ。前受けからズルッと下げての6番手発進。意を決して先行態勢に入った本命の古川大輔を無理やりに叩き切ると、番手の相良勝美、捲り追い込んだ前島恭平の2人にかわされたが確定板は確保した。「いつもだったら途中で諦めちゃうけど、今日はもしかしたらって思えたので踏み続けました。出た時点で脚はほとんど残っていませんでしたけどね」
新人当時からレーススタイルは普遍だ。「行けるかどうか、それしかない。ヨコはできないし、追い込みに変わろうって思ったこともない。みんな脚質を転向するときにいろいろと葛藤したりで大変だろうから、すごいですよ。自分にはできない。追い込みって落車もあるから危ないし」
信じるものは自分の脚力のみ。確かにシンプルな戦術は考えることも少ないかもしれない。ただ弊害として『当て馬』に高確率で選ばれる。現に今回も含めて初日7着が7場所も連続しているが、そのうち6回がルーキーの123期にぶつけられ、残り1回は今回同あっせんで前期A1の泉谷元樹だった。これでは競走得点が上がるはずもない。3連対率は50%弱もあるのに、競走得点が68点を切っているのはかわいそうな気もする。
「でも自分は番手で粘ったりもしないし、番組を組むときに扱いやすいでしょうから仕方ないですよ。そこに対して別にどうこうは思わないし、思っても仕方がない。そういう世界ですからね」。デビュー20年目で優勝経験ゼロはかなり珍しい。競輪は、味方(ライン)であってもゴール前は敵になる競技。そんな中で米倉のいちずな走りはもっと評価されていい気もするが、この「Vゼロ」こそが米倉の生き様を示す大きな証しなのかもしれない。▼2Rは、再び点数上位の古川を撃破で1=4―27。
▼5R(川上真吾)8、9月はあっせん停止で走れなかったが、そのことがプラスに作用してか今回はリラックスして走れている。そもそも前期2班で81.35点を稼いだ実力者だけに、単騎であっても連浮上は十分。4―1=6、5―4=6。