競輪

【弥彦競輪・GⅠ寛仁親王牌】古性優作がGⅠ年間3V 神山雄一郎以来の偉業

決勝をまくりで制しガッツポーズの古性優作

 弥彦競輪の4日制GⅠ「第32回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」(優勝賞金3890万円)は22日の最終12Rで決勝を行い、古性優作(32)=大阪・100期・SS=が大会初制覇。古性は1997年の神山雄一郎以来となる年間GⅠ・3Vを達成するとともに、年間賞金を早くも2億円に到達させた。レースは誘導が打鐘直前まで残り、前受けの福島3車が先行。犬伏湧也の鐘3半カマシは不発で、古性が2角捲りで快勝。2、3着は福島の2、3番手を走った佐藤慎太郎、渡部幸訓。4日間の車券総売上額は82億185万7400円(目標83億円)だった。

■ヒーロー

 古性が歴史に名を刻むVを果たした。2月の全日本選抜(高知)、6月の高松宮記念杯(岸和田)に続くGⅠ優勝。年間3度のGⅠ制覇は6人目(1951年・山本清治、63年・高原永伍、67年・平間誠記、87年滝澤正光、95年と97年・神山雄一郎)。自身初のビッグ完全Vを達成し、競輪祭、グランプリを残して2億1000万円を超える金額を稼ぎだした。

 それでもまったく慢心ははない。理事長杯、ローズカップと最高格のレースも含めて連勝を重ねた3日間を、「感触は良くない」と言い続けた。フレームを換え、セッティングを模索。「決勝のアップの時に、踏み方を思い出した。村上義弘さんから、前回の久留米でもらったアドバイスを自分なりにできた。周回中から行けるかなと感じた」と、最善を尽くしてレースを迎えた。小松崎大地と犬伏のもがき合いを見ながら、2角捲り。周回中の感触どおりに、3角過ぎには先頭。完全Vを勝ち取った。

 さらに上を目指す。「グランプリを含めたグランドスラムをしたい」。神山雄一郎、新田祐大はGP優勝がない。GP優勝のある井上茂徳と滝澤正光は、ともに寛仁親王牌がGⅠとなる前の達成。6つのGⅠとGPをすべて制した者はまだいない。残るはダービーと競輪祭。今年の競輪祭を優勝すれば、史上初の年間GⅠ・4V。グランドスラムに王手かけることにもなる。「競輪学校時代に、滝澤校長から『ダブルグランドスラムをしろ』と言われたので、それも目指したい」。GⅠを16Vの神山でさえ、ダービーと全日本選抜のVは1度だけ。とてつもなく大きな目標を掲げている。

 「本当に練習している。まだまったく満足していない。記念優勝やGⅠ優勝1回くらいならそれでもいいが、もっともっと高いところを目指してやっている」と平然と言ってのけた。「もっともっと状態が上がる自信もある。状態が上がったからといって勝てるほど簡単なものではないですけど」。昨年、脇本雄太が史上初の3億円に到達したが、古性は4億円の可能性さえ残す。われわれは、史上最高の選手が誕生する過程を目撃しているのかもしれない。(野口雅洋)

■プロフィル

 古性優作(こしょう・ゆうさく)1991年2月22日生まれの32歳。大阪市出身。清風高卒。2011年7月、大阪支部100期でデビュー(岸和田=1、1、決勝1着)。通算成績は1009走で312勝、優勝39回。ビッグレース制覇は21年GP(静岡)と、GⅠでの6V(オールスター=21年いわき平、全日本選抜=22年取手、23年高知、高松宮記念杯=22、23年、ともに岸和田、寛仁親王牌=23年)。GⅢは8V。通算取得賞金は8億7975万8500円。168センチ、77キロ、太もも62センチ、O型。

■決勝VTR

 佐藤がSで出て、小松崎―佐藤―渡部、古性―南、和田、犬伏―諸橋、河端で周回。赤板が過ぎても誰も動かず誘導が残ったまま。小松崎が打鐘前から徐々に踏み上げて先行。鐘3半から犬伏がカマシを狙うが諸橋は離れ、犬伏も終2角で渡部の横までしか届かず。4番手の古性が2角捲りを放ち3角過ぎに先頭に立つと、勢いが最後まで衰えることなくV。4角手前、佐藤と南の競り合いがあり、南後位を終始走っていた和田が南との接触で落車。佐藤が直線で2番手を確保し、内を締めながら佐藤を追っていた渡部が3着。

表彰式で笑顔を見せる古性優作(中央)。左は2着の佐藤慎太郎、右は3着の渡部幸訓

 

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